選挙におけるネット解禁後のネット活用

ネット解禁は次の国会でやってくれると期待する。問題はその使い方。
2012年総選挙でもすでに政党交付金おの多い政党の広告がポータルサイトに目立つ。税金からネットサービス業界へ資金が流れているんだなと思う程度だが、これが乱立すると 目障りである。
ポータルサイトを持っている実業家が選挙に出ると、ずっと見させられるかもしれない。テレビ業界の人が立候補するとテレビからはいなくなるが、ネットでは逆に繰り返し見せられるだろう。
さて、テレビの党首討論会で各政党は短い時間しか与えられず、同じことを繰り返し主張しているが.テレビ時代のやり方ではユーザーは飽きる。今のテレビは多チャンネルを持っているのに有効に使いきれていない。ネットで、経済・増税財政再建・教育・防衛・憲法・エネルギー・貿易自由化・公務員制度改革・年金介護などのチャンネルを作る。討論会では同じテーマだけを1時間くらいやる。この質問に2分以内で答えてください、ではなくて、好きなだけしゃべらせる*1。ネットの映像にはチャプターを設定できるから、見る人は好きなところまで早送りが可能になる。眼中にない政党の主張ははじめから聞かなければいい。好きな政党の主張をたっぷり見聞きすることができる。
もしくはA党対B党とか、B党対C党といった、参加政党をしぼったチャンネルを用意する。わたしは個人的には他党批判はあまり聞きたくないのだけれど、他党批判しているのを聞きたい人はそのチャンネルを見る。国会の党首討論くらいの持ち時間だと、目立とうとしてシナリオを組むが、4時間やってください、とお願いしてみる。目立つだけの作戦では次第に相手に対する説得力がなくなってくる。
チャンネルの視聴回数をカウントする。精度の悪い電話調査よりもよほどいい統計ができる。
討論会ばかりやっていたら遊説ができないという人もいるかもしれない。ただ、遊説の目的は「自分の街に来た」「握手してくれた」という動機で投票する人を増やすことにある。遊説を見学する暇がない人にとって、これほど無駄なものはない。こういう観点で国民の代表が決まるのは大変よろしくないので、選挙区は大選挙区にする。今回の選挙報道でもどぶ板選挙をやることを自慢するかのように話す候補がいたが、大変ばからしい。握手や移動をする時間があるなら、まともで説得力のある主張をすることに時間をかけてほしい。
遊説をじかに聞きたいという人もいるかもしれないが、何回もやる人はない。ただ、それをネットで生中継してくれればそれでいい。寝る時間以外はずっとカメラに密着生放送させておけばいいのである。今までは、有力政治家はいつどこに行って演説をするかが重要だったが、ネットではいつまでも飽きずに聞いてもらえるかが重要となる。ニコニコ動画のように、生放送はいつでも繰り返し再生可能となる。すると、現在のように、日本テレビで言ったことを、TBSでも繰り返し言うという手法は通用しない。日本テレビを見た人はTBSを見ないかもしれないが、ネットでは作成された録画を一つずつ再生することになるだろう。どのファイルを再生しても同じことを言っていたのでは中身がないことがばれてしまう。
公示前にねたをたくさん用意しておいて、毎日少しずつねたを披露し、ねたを変えて最後まで飽きないようにすることが重要である。タレント議員はお笑いの人だらけになるかもしれないが、受け狙いではなく、人を引き付けることを言っていかなければならない。遊説場所ではなく、遊説内容だ。大選挙区でも長距離移動する必要はない。毎日自宅から放送してもいいわけだ。
支持団体詣でや、有名政治家を呼び寄せることしかできない候補は、「この人自体には何も価値がない」と視聴者にばれてしまう。自分から主張ができる候補がうける。
わたしはこのように、動画をうまく使って、安くて意義のある選挙運動をしてもらいたいのだが、実際は大政党が広告にお金をかける仕組みになってしまうような気もする。

*1:ネットチャンネルでも時間制限を設けていたが、時間制限はおもしろくない