選挙におけるネット解禁後のネット活用 つづき

早ければ参議院議員選挙から、ネット解禁になるそうだが、メールの議論が花盛りのようだ。
ネットって、メールのことだったのだろうか。なんだかとってもがっかりである。
いたずらや悪意でオプトイン(送信了承)をした者がいて、承諾していない人のメールアドレスに選挙運動メールが送られたら、どうするのか。いたずらで、なりすましメールをした者がいた場合もどうなるのか。現行制度では発送できるはがきの枚数が制限されているが、敵陣営が用意したはがきを勝手に水増しして、住所も勝手に書いてまぎれこませることができるのである。了承していない人にメールが届くのだが、発送した人は50万円以下の罰金だそうだ。もちろん当選しても取り消し。たとえ自分がメールを使っていなくても、当選者を選挙違反人に変えることができる。
本人確認と不正防止が難しい仕組みは使わない方がいいし、ましてやこの件で与野党が決裂って、何をやっているのだろう。特に賛成側のみんなの党民主党
選挙目当てではなく、政治活動として普段からまじめにメールマガジンを作って送っている政治家がかわいそうなので、メールマガジンは選挙期間中のみ禁止にする必要はないと思う。しかしこれにオプトインを持ち込む必要はない。選挙運動に関わる文言が入っていなければオプトインにかかわらず解禁にすればいい。2012年衆議院選挙における橋本市ツイッターの扱いから発展させればよい。普段から政治の理解を深めようとしてメールを出しているのだから、選挙中も自己の露出と誤解される文言を避けるべきである。まあ、半月我慢すればいいだけなので、メールマガジンは休みにしても良いのではないか。
民主・みんなの法案は、A候補を応援する人が、A候補発のメール送信をオプトインして、A候補から選挙運動メールをもらう仕組みを作りたいのだろう。しかしその必要はないと思う。もともとA候補に入れる人だから。マスコミ関係者か選挙が趣味の人を除くと「興味があるから同じ選挙区のB候補とC候補のメールも登録しておこう」という発想にはならない。WebサイトかSNSで見ればいいではないか。
SNSに比べて効果が著しく低く、迷惑度が高いメールを使う必要はない。
前回は討論会動画チャンネルについて書いたが、ネット解禁におけるネットの利用法はプット(送信者が受信者に一方的に送る)のではなく、プル(受信者が送信者に要求して送ってもらう)の仕組みを使うべきである。オプトインはプルに近い効果をもたらす手法ではあるが、はじまりが受信者であればいいという問題ではなく、

興味を持った人が自分で情報を取り寄せる

仕組みであるべきだ。

  1. スパムやネット混雑はごめんだ
  2. 興味がない人に無理矢理送りつける必要はない
  3. 見たくないときに見せつけないでほしい

政治家のみなさんは、大衆に対して政治の露出を高めて、自党の名前を記憶にすり込みたいのであろう。テレビ・ラジオの政見放送の効果が下がってきたので、テレビ・ラジオの視聴率を奪ったネットに進出したいと考えているようである。
それではお金がかかるだけで政治はよくならない。それどころか選挙カーが自分のパソコン画面の中を走り回るようなもので、とても迷惑である。