もう少しやらせたいんですか

福田改造内閣の崩壊。一部の大臣についてはもう少し続けてもらいたい気もするが、内閣支持率は回復傾向にあったとはいえ低迷。世論調査によれば支持しない人のほうが多かったはず。
ところが、辞任表明を受けての街中インタビューを編集して流すニュースでは急な知らせに驚いた上で「もう少しやってもらいたかった」の声ばかり。
ぜひ、その取材ビデオを無編集で流してもらって、マイクを避ける人たちや、「そんなの興味ありません」あるいは

「え、総理大臣ってコイズミサンじゃないんですか」

とコメントする人も合わせて出してもらいたかった。うちのビデオデッキでさえ、音質を維持したまま早送り再生できるのだから、テレビ局だってできるだろう。少し時間がかかってもいいから全部見たい。「インタビューはやらせだから、全部だと受け答えの打ち合わせしているところまで入ってしまうので見せられない」ということはないだろうが、そういう理解でよいか?
「もう少しやらせたかった」という意見を流すということは、もう少しやらせたかったというのがマスコミの深層心理なのだろう。現在、首相官邸の記者は取材に応じてもらえないとのことだが、そこまで冷遇されてもマスコミには愛されている首相だということがわかる。
報道局の考えはこういうことなのだろう。ころころ変わりすぎだし、改造したばかりである。もう少し様子を見たかった。ここでねじれ国会が加速したら、ますます政治経済は混乱する、と。しかし、各社徹底しているところを見ると、再び短命政権になるのは見たくない→すなわち→次の自公内閣に長くやってもらいたいと考えている人がいるようにも思えてくる。そういう人の工作なのだとすれば、そこまでうまくいきませんよ、と言いたくなる。
マスコミの政局予想によれば、解散のトリガーは次期政権の高支持率なのだそうだ。すると、こういう政局構想*1もある。いったん持ち上げて政局を生み出し、解散が現実的になったら一気に反政府にかじをきる。マスコミが政権選択カードを握ることで、第四権力を維持する。政界予想は難しいが、マスコミ予想はそれほど難しくない。

ところで、先日書いた太田農水大臣は、国会で野党に糾弾されて辞任、もしくは問責決議案可決という汚れた経歴を残さずに済んだ。よかったですね。

*1:変な言葉...