千代田線延伸構想

 東京地下鉄の話を書いているときにあれこれ調べていたら、おもしろいものを見つけました。常磐線各駅停車東京地下鉄にしろ、というものです。
 先日は、東武伊勢崎線半蔵門線との接続が増収のためになっていないという話を書きましたが、国鉄JR東日本は地下鉄やりんかい線との直通実現にあたり連絡相手の利便性を高めることはしませんでした*1し、今後もJR東日本に不利になるようなことは絶対しません*2。かしこい国鉄官僚がいて、新線に客を取られるマイナスよりも、複々線化による輸送力増強や沿線宅地開発増加によるプラスが上回るように綿密に計算したのでしょうか*3。その点、綾瀬-亀有-金町あたりを東京地下鉄に貸すだけでは輸送力増強による収入増が見込めませんから、JRにうまみがありません。
 特に都内沿線からの希望を強いようです。でも葛飾の住民が複数の鉄道会社にまたがる割高の運賃を払わされている*4、それはもともとそういう作戦なのだから仕方がありません。葛飾区から鉄道会社に補助金を出すくらいの覚悟がなければ実現しません。せめて快速を止まらせてあげたいですが、つくばエクスプレスとの競争力確保を考えると難しいでしょう。

綾瀬始発を金町始発に移そう

という議論もあります。始発駅を移せという要求は全国的にも珍しいのではないでしょうか。蒲田始発を川崎始発にするとか、武蔵小金井始発を国分寺始発にするとか、和光市始発を志木始発にするとか、あれこれ考えてしまいましたが、迷惑施設の車庫はそのままに、座席着席権を奪おうとするわけです。始発駅を取られた側はたまったものではありませんし、始発駅にはその長所を求めてたくさんのバス路線が集中しています。バス路線網の再編や駅前バスターミナルの拡張は鉄道会社側への圧力だけでは実現しません。
 千代田線は綾瀬止まりがあり、常磐線内は昼間12分間隔だそうです。車輌はいくらでも買えるし、そもそも昼間はいくらでも余っていますが、それでもむやみに増発しないのは運転手と車掌のやりくりが難しいからでしょう。千代田線が伸びたり、始発駅が動いたりすると、JR東日本だけではなく東京地下鉄にとっても大混乱であります。
 建設が止まっている有楽町線(地下鉄8号線)を亀有まで伸ばすのが一番いいのではないでしょうか。千代田線にこだわるより、青山一丁目や渋谷も直通するようになっていいと思います。ただ財源が気になります。埼玉高速鉄道東葉高速鉄道のように自治体出資が求められるかもしれません。金町の人は、JR-新会社-東京地下鉄の3社の料金を払わされることになります。うむぅ。。。
 始発駅移動に似た議論として、首都高速新宿線と中央高速との境界を高井戸から八王子に移せというのがあります。多摩地区の人も首都高速均一運賃の仲間に入れてほしいということだそうです。こちらの方が車庫や車掌は関係ありませんから、実現しそうですが、やはり行政から中日本高速への補助金が必要になってくるでしょう。

*1:東西線: 中央線側は快速電車は全駅に停車させ、中央線の競争力は維持。総武線側は本数が少ないし、西船橋に快速を止めません。千代田線: 本数が少ないし、北千住の乗り換えは不便、その先は松戸まで快速の接続がありません。りんかい線: 京葉線との直通がありません

*2:例外は、常磐線各駅停車の冷房車導入が早かったことくらいではないでしょうか

*3:でも、それならあんなに致命的な赤字を生む運営をするはずないか、と自己突っ込み

*4:松戸から先ならば、松戸から快速に乗ってJRだけで上京する方法もありますが、都内各駅からだと乗り換えによる時間浪費があり、千代田線直通車輌による都心乗り入れをするのが通常だそうです