歩行者用信号

道路の交差点にある歩行者用の信号は、車両用の信号よりも早めに赤になる。例えば歩行者が横断歩道にたくさんいて、横断者が渡りきらないうちに車道も赤にしたら、曲がった先で横断歩道を横切ろうとする右左折待ちの車が交差点に入れなくなるからだ。
ところが、都内某所には歩行者用と車両用が同時に赤になる交差点がある。信号の時間差は事実上の国内標準になっているから、そのことを知らない歩行者が横断していたら交差点内に取り残されるのではないかと不安になる。
一方、わたしがよく行く駅前のロータリには意味のない時間差が見受けられる。駅前広場から出てくるバスの通り道で、交差点が一方通行の出口になっている。そこの停止線の隣にある横断歩道の信号は、車道よりも早く赤になる。一方通行の出口ならば、交差路から右左折待ちの車が進入してくる可能性は全くない。ならば、車道と同時に赤にしてもいいのではないかと思った。
そのことを人に話したら、こう言われた。

あなたは車を運転するから車中心の考え方に慣れている。
信号の時間差は、右左折の車だけでなく、歩くのが遅い歩行者のためにも必要である。

わたしは反論した。

歩行者がいたら信号がどんな色でも進んではいけないのだ。歩行者優先であることを忘れてはならない。

青は「進め」ではない、「安全ならば進んでもよい」である。信号が青になったら車をすぐに発進させたいと思うことこそ車やバイク中心の発想である。
さらに

交差点で渡り遅れた人のための猶予のためにも早めに赤にした方がいい。

と言うので、交差点ではなく、一本道上にある横断歩道では、

歩行者用を赤にしたらすぐに車道側が青になるではないか

だから、それは違う、と言った。
 こんなことを言ってはみたものの、わたしは、歩行者として、もう少し青の時間を長くしてくれれば理屈はどうでもいい。