都営三田線の内幸町駅は、夜遅くなると降りる人がほとんどいない。そこで、エスカレーターが、22時以降は運転方向を変えて、改札口からホーム方向に運行される。終電間近で乗り遅れたくない乗客には本当にありがたいサービスである。
一方、ある駅にて。
終電車。降りる客はホームが埋まるほど多く、乗る客は1人しかいなかった。このような状態は、例外なく毎日である。
エスカレーターが、駅コンコースからホームの方に動いていて、乗る人はひとりもいない。確かに、終電間近で飛び乗りたいときにエスカレーターがあるのはありがたいけれど、電車が発車してからしばらく経っても、ホームは改札口に向かう人であふれている。
ホームにいたわたしは、隣で
なんで逆向きに動かしてくれないの。意味ないじゃん。
とつぶやく声を聞いた。無人の駅ならまだしも、あそこで最終電車を見送ってほっとした駅員たちが雑談しているぞ。彼らに聞こえるように言ってやれ。