7Pay廃止

2019年8月1日。セブンアンドアイの7Payが廃止を決断。7Payというペイメントもやがて忘れられていくと思うので記録のために残しておこう。

以下、あくまでも個人的な感想です。

経営危機を認識し、確実に損切りを行うことができたことはすばらしいと思う。セブンペイ社は存続して何をするのかよくわからないが、福島で廃炉のために大量の自社製品を捨てている電力会社もあるくらいなので、珍しいことではない。敗戦処理事業体というのは成熟社会日本で今後はやるのかもしれない。
しかし、それを発表した記者会見がすべて台無しにした。先日2段階認証を知らずに失敗した小林氏の謝罪会見が全く生かされていない。
記者は、情報漏洩の原因をリスト攻撃ではないという疑いを取材から得ていた。そのことを何度も問い直したのに

  • 情報漏洩の原因はリスト攻撃である
  • 内外セキュリティ調査の診断結果だ

と言い切ってしまった。今の時代は一問一答が全部ネットで見られるようになっていて、わたしもITmediaの記事を参考としている。その記事が発言とニュアンスが異なっている可能性はあるが、少なくても何度も似た質問が繰り返されているのに「もう一度調べます」と言えないところが大変残念だ。
その他にも

  • リスト攻撃は確かにあったのかもしれないが、「攻撃されたことが情報漏洩の原因だ」と判断していい証拠はどこにもない。
  • なぜセキュリティの専門家を同席させずに、専門外の責任者がセキュリティの話をしてしまうのか。今回の親会社の役員は小林氏の会見を見ていないのだろうか。
  • 社名を明かせない外部セキュリティ専門会社というのは何者なのか。どういう守秘義務契約なのか。今回の事件に関連して、GitHub騒動でNTTデータMSEという社名が出たばかりで、どんなに隠しても社名はやがてばれるとなぜ考えないのか。
  • セキュリティ調査の受託会社は、前回も引き続き今回も役員が不適切な回答をするかもしれないと思わなかったのだろうか。不適切な回答をしたら調査をした自社にも悪評が絶えなくなると考えなかったのか。会見の原稿を作ってあげないのか。
  • 一流企業がどうしてそんなセキュリティ会社しか雇えないのか。どこの弁護士事務所からもそっぽを向かれて怪しい弁護士しか雇えない怪しい団体を想起してしまう。
  • 記者は「例外もある」と質問しているのに、その回答が「ほとんどは」リスト攻撃。つまり、仮に本当にリスト攻撃が主因だとしても、記者の主張と役員の回答は日本語の上では同調してしまっている。ところが、結果的には記者の質問は否定している。
  • とにかく沈静化しようとばかりに、nanacoの還元率を下げてしまったり、返金ができなかったりといった利用者の不利益について何も答えを持ち合わせていない。利用者そっちのけ。
  • オムニ7に問題が飛び火しないことを第一優先としていて、今回も「問題ない」と言い切ってしまった。セキュリティの話で「問題ないと言ったところに問題あり」「ご安心くださいはご安心できない」というのはかなり前から有名な話で、すべての上場企業において役員になるなら役員研修の初日に二、三度唱和してほしいような内容である。「今のところ問題は確認できていない」という便利な表現があるのに周囲は教えてあげないのだろうか。
  • GitHub問題についてもよくわからない理由で「影響なし」と言い切ってしまった。オウム事件のときに、オウム関連会社が携わったWebサイトを全部廃棄した事例を知っているが、わたしが経営者だったらNTTデータMSE社から参画した要員が閲覧可能な状態にあったソースコード全部廃棄を命じるだろう。公開されてしまっていたコードが本物かどうかというのは本質ではない。1匹見たら100匹いると思えのゴキブリの法則を適用すべきだ。他のコードも公開してしまっているかもしれないと考えるべきではないか。もう一度不正公開事例がばれたらおしまいである。

持ち株会社の副社長を筆頭に重役揃いなのに、相変わらず学習できていない。これは本業に確実に影響があると思った。セブンカードとnanacoも、PayPayに置き換わっていくだろう。nanacoは取引件数国内最大だったのに還元率半減に加え、風評被害まで招きそうな状況。ただ、セブンカードはJCBアウトソーシングをしているが、JCBの方が「こんなガバナンスがなっていない会社のサービスを受託してしまって大丈夫ですか」と言われかねない。