家計簿サービスを利用する つづき

http://d.hatena.ne.jp/o1y/20140617のつづき。
家計簿をインターネットのサービスを利用して効率的に作成する方法を検討する。
現金支出は、レシートなどをためてそれを後で転記する必要がある。これをなるべく電子マネーやクレジットカード払い、口座引き落としに変えて、ネットを通じて自動的に収集し、家計簿に支出情報を蓄積するようにするとうまくいく。
電子マネーやクレジットカードでも家計簿情報の収集に合っているものとそうでないものとがある。
ところで、そもそも家計簿にはどんな情報が必要なのか。家計簿をつける目的は、計画的にお金を使うことにある。全体としてどのくらい使ったかも重要だが、どの項目にどれくらい使ったかがわかると節約する意識が芽生える。よって、最も重要な情報は

  • 収支が発生した日付
  • 金額

の2つであるが、これに加えて家計簿の費目を特定する情報があるとなおよい。購入物がわかるヒントとして、

  • 時刻
  • 店名
  • 店名がわからない場合は、その他のヒント

があるが、ない場合は、支出した本人の記憶から呼び起こすことになるが、できなければ使途不明金にするしかない。用途がわからないと、いくら残っているかを確認することはできても、その支払い内容を振り返ることができないので節約の対策をとることができない。
さらに、できれば以下の条件を満たすことが望ましい。

  • なるべく早く情報が収集できること
    • 自動的に蓄積される情報は完全ではないので人による補正が必要となるが、蓄積されるタイミングが買い物した日が経つと買い物の内容を忘れてしまうので早めに蓄積されることが望ましい
  • 決済の都度保存されること
    • 電子マネーの場合はチャージ金額しか自動収集できない場合があるが、買い物した都度減算されることがわかることが望ましい

電子マネーを比較しよう(首都圏の場合)

ここまで示したような情報はレシートなしで収集することができるのだろうか。もともと、事業者内で購買分析を行うために収集していることもあり、購買者に提供するサービスを行うことでセキュリティ上のリスクも発生するので、事業者側は積極的に提供していない。そんな中、安全性を考慮した上で情報提供してくれる事業者があれば評価したいものだ。
まずはインターネットのサービスでどこまで収集できるか。

電子マネーの種類 日付 金額 時刻 店名 ヒント 早さ 都度保存
楽天Edy × × × × × × ×
鉄道系ICカード × × × × × × ×
鉄道系ICカード(モバイルSuica) ×
nanaco -
WAON -
au WALLET - ×

次に、手元の電子マネー(ICカードやおさいふケータイ)を、手持ちのNFCリーダー(Pasoliなど)にかざして読み取るとどこまで収集できるか。

電子マネーの種類 日付 金額 時刻 店名 ヒント
楽天Edy × ×
鉄道系ICカード ×
鉄道系ICカード(モバイルSuica) ×
nanaco -
WAON -
au WALLET × × × × ×

ネットの家計簿サービスは、インターネットのオンラインサイトに自動ログインして収集する。手元の電子マネーを読み取り、手元のPCからネットに送ることで情報を保管するサイトも一部ある。また、店の情報を利用して費目を自動判別してくれるサイトもある。
楽天Edyは、カードにチャージした時点で通貨として利用することだけを想定している。よって電子マネーのカードなどからいくら入っていくら出たかしか記憶しない。クレジットカードと連携すれば、チャージの日時・金額は自動集計できるが、チャージされたあとの内訳はわからない。
PASMOSuicaなどの鉄道系ICカードは、鉄道の自動改札や乗り継ぎ精算機で使った場合は入場と出場の詳細が記録されるが、店舗で使った場合は「物販」としか記録されない。駅構内の飲料自動販売機で使うと「自販機」となるので、駅で飲料を買ったか、それ以外のものを買ったかしか読み取れない(Suicaの場合)。自販機と物販を識別したのはSuicaポイントクラブのレートが異なるからだろうか。家に帰ってリーダーにかざし、記録された日時を見ながら「朝だからあのコンビニかな」「週末だからあのスーパーかな」と思い出すしかない。チャージされたあとの内訳はわからないのは楽天Edyと同じ。
モバイルSuicaはおさいふケータイとしてネットに情報を連携しているため、手元のおさいふケータイの情報を読み取らなくてもネットで確認することができる。チャージ以外の決済の日時・金額まではわかるようになる。ただし決済品目については他の鉄道系ICカードと同じ。
nanacoセブン-イレブン、イトーヨーカ堂系の電子マネーである。イトーヨーカ堂で使った場合はイトーヨーカ堂のどの店かまでは記録される。しかし外出先で複数の店を使う可能性があるセブン-イレブンについては「セブン-イレブン」としか記録されない。
WAONイオングループ電子マネーである。全国規模の電子マネーでは最後発であり、イオン直営以外の店の情報も比較的収集する。ミニストップの何店かまでわかる。ただし、イオンの大規模スーパーやショッピングモールに入居している店については、その施設の中のどの店なのかは特定できない。ショッピングセンターの中で同じ日にはしごをすると、金額でしか判別できない。
au WALLETは今年登場したばかりであまり手元に情報がないが、マスターカードの決済システムを使っているため、店舗情報は入手できる。しかし反映までは最長数週間かかってしまうため、支出内容を覚えているうちに入手できないので上の表では早さを×とした。
iDは申し訳ないが手元に情報がない。
どれも完璧ではないが、ネットのサービスを使った自動集計にはWAONnanacoが比較的優れていて、リーダーをかざす手間がなく、自動判別された費目を修正する箇所も少なくて済む。

家計簿サービスを使うこつ

Suicaは使える場所が多いので安易につかってしまいがちだが、レシートがないと後で何に使ったのかわかりにくい。朝ならこの店、週末ならこの店と決めて使えばあとで思い出しやすい。頻度が少ない買い物の場合はクレジットカードを使う方が店名が記録されてわかりやすい。