議事妨害

2014年6月、女性を敵に回した不規則発言(野次)で都議会に苦情殺到。
今回の騒ぎは全女性を中傷しているから、発言者へ向けた野次になるようにしろという意見があったり、外国の議会と比較する論も見受けられる。しかし、日本人はけんかをしながらの討論に慣れていない。テレビなどの討論は声の大きさを競っているようなもので討論と呼べるようなものではない。国会では党首討論として公式な討論の場を設定してみたが、野党党首が挑発する質問を出しても、首相はそれを無視したすれ違いの回答を行い、議長はそれがすれ違いとわかっていてもとがめることはしないので、討論相手をからかったり責めることで議論が盛り上がるようになるとは思えない。議事が止まったり、今回のように人が精神的苦痛を受けるなど、逆効果である。
議会の野次は政策や行政執行に対して行うべきであり、政敵だろうが証人喚問の参考人だろうが、人に対する攻撃をするべきではない。
さて、野次自体の議論は各方面で行われているが、今回の中傷は「品位を欠く」といったことではなく、単なる議事妨害である。議会人が税金を浪費しながら、行政レベルや議案品質の向上に役立たない悪ふざけを堂々としているのだから、議員を辞めろとは言わないが、税金を返せと言いたい。
必ずばれることが確実なのに、どうして名乗り出ないのか。たぶん、釈明の言葉が見当たらないのだろう。
こういう事件を機に、野次をカウントする人や、内容をWebに転載する人が出てくると思うので、日本中の議会人としてはますますやりにくくなると思う。もともと議会は公開の場で行われているのに、なぜ後で自分が言ったとわかったら困るようなことを堂々と言えるのだろうか。中学校のホームルームではあるまいし。首長の方を見て座っているが、背後のカメラの向こうの人や傍聴人のために行っているということを理解していない。
やめさせるべきだという意見があるが、議会の発言で、他の議員が圧力をかけてやめさせるというのはよくないと思う。本来は、次回の選挙で落選するというのが一番いいと思う。東京都は対立候補がいるけれど、立候補者が少ないゆえ落選する人が少ない選挙区は票の意見が反映されることが少ないので、世論の声を反映することも必要かもしれない。

なぜ人に対して野次るのか

政策に対する野次や、政策を作成した人や、議案提出を請願する人に対する野次にあたること、政策に対する自分なりの明確な反論を持つ必要があることから、志が中途半端な人には難しいのである。一方、質問者や首長に対する野次は、その相手や所属政党のイメージダウンにつながるとともに、政策を望む人に対する直接の悪口に当たらないと考えているようである。
明確な反論があれば、議案の背景にいる人たちの野次にはならない。質問者や首長に対する野次は、相手や所属政党ではなく、言った本人の品格を疑われるだけなのだが、特に地方議会では「市民は議会発言に興味がない」と見くびっているのである。
議席のひとつひとつにマイクをつけてすべて集音し、発言者よりも声が大きかったら発言者の音量を下げて野次を議場に流せばいい。それをすべて「不規則発言」の文字を添えて議事録に残せば良い。

[日本語]なぜ、野次はヤジなのか

NHKは平仮名で、他のマスコミは片仮名が多いようだが、なぜか。