田中眞紀子文部科学大臣の大学不認可 つづき

結局、認可されることになった。せっかく暴走したら走り切ってくれた方がわかりやすかった。
田中大臣のやり方が気にくわない人は以下のような論評をしている。

  • 権力の濫用だ
  • 別の方法で大学増加を抑えるべき
  • 大学を卒業証書発行機関に変えた社会システムが悪い

1. 権力の濫用だ
権力を濫用している機関や政治家はたくさんいて、もっとひどい事例はいくらでもある。中には濫用したい意図もはっきりしないものさえある。田中大臣だけ責め立てても仕方がないと思う。田中大臣には後ろ盾がないから攻撃しやすいのかもしれないが、それではただのいじめである。
2. 別の方法で大学増加を抑えるべき
これは、田中大臣の手法が乱暴であることを批判する代わりに代替策を提示している裁量批判派と、田中大臣の手法では解決しないので対案を提示している政策転換派とがある。
政策を論じる場合は弱い者にしわよせが来ないようにすることを考えることが求められる。急な不認可を批判してもいいし、政策転換を論じても、結局学生が困らない方法を提案している者はいない。補助金を止める、大学参入を自由にして下位校を自然淘汰させるのも、いずれも学生が困ることには変わりない。入学しようとしていた受験希望者だけ救っても意味がない。
3. 大学を卒業証書発行機関に変えた社会システムが悪い
批判のための批判であって、具体的な政策論がない。補助金を止めるとか具体策を提示する者の方がまだましだ。

どうすべきか

政策は組み合わせが大事で、権力の濫用だろうと、手法が乱暴だろうと、まずは何かをするしかなかったのだと思う。入り口が不認可でも仕方がなかったのかもしれないと思う。お金をすでに使ってしまった法人と、受験生に対して救済策は必要ではあるが、傷つく者がいるから何もできないでは日本社会は何も変えられない。