民主党代表選

野田さんが圧勝したこと自体はどうでもいいが、代表選が終わると「首相を信任しない勢力が離党予備軍だ」「首相に反発するなら離党すべきだ」といった意見が出る。そのようなブログなどを見かける。
代表選挙では、ひとりだけ選ぶことになっているが、選ぶ基準は投票者に任されている。よりふさわしい人、より好きな人を選ぶかもしれないし、好き嫌いにかかわらず党にとってよい人を選ぶかもしれない。党運営だけでなく、与党であれば政権担当能力も問うかもしれない。

  1. Aさんにとっては野田さんが10点満点中8点で、原口さんが9点だったとする。両方とも及第点ではあるため、政権の継続性を重視して野田さんに投票した。
  2. Bさんにとっては野田さんが10点満点中8点で、原口さんが9点だったとする。より絶対的な評価の高い原口さんに投票した。

どちらも野田さんに対する評価は同じであるが、Aさんは親執行部で、Bさんは反執行部なのだろうか。
立候補も同様。立候補するかどうかは、本人の意欲や、周りの期待によって決まってもいいはずで、現執行部に反発しているとは限らない。反発していてもいいが、選挙によって必ず反発しなければならないということではない。
反発している様子をアピールしないと、マスコミはどれも似ていると評価する。しかしだ、似ているのが何が悪いのかさっぱりわからない。同じ党なのだから似ていて当然である。
選挙には、政党の政策が成熟することを期待する。自民党は強靱化法案で公共投資積極派をどう取り扱っていくつもりなのかがわからないので全面的に支持はできないが、政策の方向性をはっきりさせようとしている。民主党は選挙が盛り上がらなかったというよりは政策論議が盛り上がらなかったことにがっかりしてしまう。
離党しろと騒いでいる人たちが何を理由に騒いでいるのかわからないが、勢力争いを取り上げれば取り上げるほど、政策の違いはあいまいにされて、離党の大義はなくなり、離党しにくくなる。離党をけしかけている者たちは実は民主党の勢力維持に貢献しているのかもしれない。