訪問

韓国大統領が竹島に侵入したことに対して、首相もマスコミも「訪問」という言葉を使っている。
竹島は韓国軍が警備をしている。大統領は軍の保護下で侵入したのである。民間人の観光旅行ではない。韓国が国権を行使して軍とともに日本に来ているのである。これを訪問という言葉で表現するのはあまりに軽すぎる。訪問とは他者のいる場所に、他者にふれることを目的に行くことである。韓国大統領は竹島を日本だと考えていないのだから、日本語の使い方として間違っている。
どうしても韓国に配慮したければ「進入」でもよい。中立的かつ感情を排除した言い方である。本来は不法侵入とか侵略と言うべきところである。大使召還に比べたら進入もしくは侵入と言うくらい大したことではないと思う。
過去には連合軍の日本占領軍を「進駐軍」と呼んでいた。なぜ他国の侵入に対して婉曲表現を用いるのか。それと、外国の指導者が不法行為を犯すとき、たとえ国際手配されても、亡命しても、捕まっても、裁判を受けても、処刑の直前まで大統領、元大統領などの呼称が用いられる。報道でも公式発表でも、呼び捨てはしないことになっているからあとは「容疑者」しか残っていない。大統領と容疑者の中間の言い方はないだろうか。個人的には呼び捨てでもいいと思う。