ブログを書いていてよかった。
マスコミを通じての世論は、無責任やら辞任党*1やらで、先日までの総裁候補者も謝ってばかりだったが、http://d.hatena.ne.jp/o1y/20080903#1220454525にも書いたとおり、辞任表明当初は「もう少しやってほしかった」だったはずだ。もしブログに書いていなかったら、わたしも辞任記者会見の時点で非難の嵐だったと思い込んだかもしれない。
「やらせてあげたかった」は、仕事を自ら放り投げた人に向けられる言葉ではない。ねじれ国会に関わる何かの力学が発生し、福田さんが耐えきれなかったという背景を感じた上での表現だ。
事実はこうだ。もともと福田さん個人を支持する地元や、野党支持者のように、就任から意見の変わらない勢力を除けば、無党派の人には4種類いた。
- もともと何も感心がない人
- 直近の報道にふれてそのままに意見を言う人
- 劇場型選挙がテレビや新聞に出ることを期待する人もこれに含む
- 政界の非情さに同情してやらせてあげたかった人
- 支持率や一貫しない消費者政策、年金問題など、客観的に見て政権維持は難しいのではないかと思った人 (わたしはこれ)
ところが、マスコミは同情した人だけをかいつまんで取り上げた。これに、福田さんの地元の取材*2を加えれば、日本全体「やらせてあげたかった」という世論に包まれていたという印象を与えることができる。
わたしのブログを読んで、マスコミが世論を聞き直したとは思えないので、マスコミが世論を作っているということがよくわかった。放送局は膨大な映像記録を持っているが、当初の「もう少しやってほしかった」VTRは二度と再生されないだろう。そして、誰からも検証されないであろう。
第四権力恐るべし。
世論誘導については、麻生新総裁も気にかけているようだ。