震災特番

国や行政に向かって文句を言うだけではなく、復興に向けた前向きのレポートもあって好感が持てた。民放各局が少しずつ独自色を出そうとしていたのもうかがえた。
東京のキャスターが東北から生中継をやっていたが、地元のテレビ局に制作を任せても良いのではないかと思う。地元の人に取材をしてほしい。

津波対策は逃げること

民放各局が揃って宮城県の防潮堤問題を取り上げ、日替わりで宮城県知事をインタビューしたのはなぜか。誰かがマスコミに代弁させたかのように見えた。岩手県で同意が進んでいる理由を掘り下げるべきだし、防潮堤の代替策とされている批難道路の具体案をシミュレーションする局があってもよかった。道路建設案を披露するのは民放として適さないと思ったのか。
日本テレビ津波で74名の児童を失った大川小を何度も取り上げた。校庭に避難してから津波にのまれるまでの間、津波の不安におびえながら耐える子どもたちがいたことを伝えていた。行政を訴える民事訴訟が始まるので原告側には必要な報道であるが、教師はハザードマップや避難場所を考慮して判断したと思われ、死んだという結果だけで責任を追及するのは難しい。マスコミが一方的に児童がかわいそう、とか、教師が悪いとか世論誘導すべきではない。視聴者としてはその後の津波教育がどう変わったのかに興味がある。今の教育現場を取材したのだろうか。
震災当時、防潮堤によって守られた街もなかったわけではないが、数百キロにわたって高い堤防を築くのは不可能だとされた。「自然に逆らうな。人工物に頼らず、とにかく逃げろ。ただそれしかない。」ということをみんなで学んだとわたしは理解していた。すると、3年後の今、

  • 避難できるようになったか
  • 避難の必要性を教えているか

を検証すべきだと思うだが、両方とも復興の現場で議論の中心になっていないことがわかった。そういう意味で今回の特番はためになった。

復興増税は無駄だった