リストラ候補

 休日にとあるお役所に行った。とある相談したら

あのですね、今日は日曜日で、全員が出勤しているわけではないんですよ。ここの窓口では全部のことができるわけではないのでできません。他の人も待たせていますので調べられません。ごめんなさい。平日来てください。

と言われた。
 言われたとおり平日に行き、窓口で同じお願いをしたら、しばらく奥に引っ込んだまま出てこない。調べているふりをしてたばこでも吸っているのかなと思いながら気長に待っていると、別の人が出てきた。日曜日に門前払いしたあの役人だ。
 奥に引っ込んだ人に代わって窓口を仕切る。

すでにご用件は承っていますか

というから、はい、と答えたら、次の番の人を呼んだ。どうやらこの人、待ち行列が長くなるのがいやでたまらないようである。
 変なお願いをする女性の方に説教をしている。

ええっと、ここは両替屋ではないので1万円のおつりを崩して渡すことはできないんですよ。この窓口は7時まで開いていてそれまでにおつりが切れちゃったら他のお客さんに迷惑をかけちゃいますからね。千円札を五百円玉2枚にしてくれって? それなら、まあ・・・・はい(手渡す)。

とにかく言い方が気にくわない。
  • 冒頭の「あの」とか「ええっと」はいらない
  • まずは自分の都合を言う。他のお客さんがと言い訳しておきながら、実は自分が怒られたくないだけ。
  • 何より窓口の行列を早く片づけたいだけ。
  • サービス業なのに、顧客に相当する住民に代替策を示さない。

決して間違ったことを言っているわけではないが、正しければいいというものではない。もっと言い方があるだろう。
 となりでいらいらしていると、奥に引っ込んでいた係員が出てきた。

調べたのですが、わかりませんでした。すみませんが、こちらの役所に行って聞いてみていただけますか。

もう少し調べてくれてもいいのに、と思いつつ、これなら腹を立てることはないのだが、と思いながら、素直に引き下がってきた。
 ところが、もうひとつ手続をしなければならなくて、再び行列に並んだら窓口係が門前払いさんのままではないか。

受け付けましたが、今は金曜日の午後なのでさすがに今日は無理です。

「さすがに」ってなんだよ、と思っていたが、引き続いて

明日は土曜日で、日曜・・・いや、月曜日も無理かもしれません。

かちっとしているあんたの業務はそんなにあいまいなのかよ

先方との調整が必要となってきますので。

ああそうですか、わかりましたよ・・・もう結構です。こういう人は一生直らないのだろう。
 行政サービスはどんどん民営化していく。公務員の特権を失ったとたん、このような窓口業務担当者は真っ先にリストラ候補に挙がることだろう。
(なお、内容を抽象化するため、一部の発言を変更しました。実際の会話はもっと頭に来ました。)