行政ができる帰宅難民対策 つづき

帰宅難民に対する呼びかけは、官房長官からNHK、民放等、ワンセグ放送を通じて行われたと記憶している。本当は自治体の首長が発表すべきだと思うが、市町村長の発表はケーブルテレビしかやっていなくてワンセグでは見られない*1
東京都副知事千葉市長、浦安市などのTwitterアカウントはかなりいい情報を配信しているが被災当日はまだ立ち上がっていなかった。
平日昼間に被災した場合、帰宅パターンは以下の4つ。

  • A:職住接近
  • B:都心→郊外
  • C:郊外→都心 (郊外→都心経由→郊外)
  • D:郊外→郊外

Aは落ち着いたら歩いて帰ってもらい、Dは割合的に少ないので自治体から情報を発信してもらう。広域でカバーすべきはBとCになる。都心←→郊外の交通情報発信について、2011年3月東日本大震災より改善する必要がある。
理想は、先日書いたように民放テレビとラジオの1局を交通情報専門チャンネルにしてもらうことである。地方では民放局が少ないが、都心では全国ネット5局が似たような情報を流していたらもったいない。今回のように、複数局がお台場の火災現場を放映するような暇があったら今必要としている人に情報を出してほしい。
しかし規制と寡占業界慣習に縛られ、なかなか改善しないと思う。そうなると、ネットの出番になる。
Twitterは有益だったが、放射能情報を中心に議論と批判が始まってしまったことが課題である。次回の災害では今回以上にネットへの参加が広まるだろうから、ネット情報の品質確保は今回以上に大変だろう。例えばハッシュタグをオフィシャルな周知手段として認めるのはもう少しネットの参加者が賢くなる必要がある*2。ただでさえ被災して落ち込んでいるときであり、自然の猛威との戦いが続いているのにもかかわらず、人間同士がけんかしているのを見るのは一層精神的ダメージが増える。けんかする余裕がある人だけが別のところでけんかをすればよい。
議論を集約できる誰かにみんながフォローするかたちがよいと思う。猪瀬副知事や熊谷市長が次の災害のときも首長であればいいのだが個人に頼ると個人が被災した場合にはどうしようもないし、当日の立ち上げはあまり期待できないので、公式アカウントが作られるのがよい。浦安市のアカウントは貴重な先例である。
鉄道情報は、いくつかのサイトやワンセグデータ放送が、だらだらと羅列する方法を採ったが、エリア別情報提供をしてほしい。

帰宅難民に向けては、すぐ復旧しそうかどうかの情報を早めに出してほしい。JRが当日の再開を断念したのは批判もあったがやむを得ない決断だったと思う。ただし、帰宅時間が始まる前に周知が広がればよかったと思う。
道路情報は、現状のJARTICでもいいが、鉄道同様、すぐに復旧する見込みがあるのかないのかの情報がなかなか出ない。いつ開通するか確約しろとは言っていない。ただ、「しばらく無理です」という情報は現場ではわかりきっているはずなので、早く出してほしい。都心に迎えに行こうとして立ち往生する車を減らすために必要な情報である。

*1:MXテレビワンセグで見られるが、あまり見なかったので論評できるほど情報を持っていない

*2:情報の出し手も受け手も