就職エージェントとしての自民党

 企業変革の主役として受け入れておいて、わずか数年後の次の契約更新のときにはできるかどうかわからない。そんな会社があったら絶対に入りたくないが、小泉チルドレンたちはこのような立場に置かれている。
 復党を認めようが認めまいが、今回の騒動をうまく収拾しないことには、来年の参議院選挙は候補者が揃わない可能性がある。
 復党候補は地元有権者の信任があるわけで、郵政反対候補に投票した人たちにとって与党復帰は民意なのだと思う。「あの選挙は何だったんだ」という批判をする気にはならない。復党していただいても結構ではないですか。
 ただし、党本部は気をつけて見ていかなければならない。今後の候補者募集にあたっては

我が党は、今回の選挙だけバックアップします。次からは自分で地盤を作ってがんばってください。

と言わなければならないだろう。独立志向の高い候補が集まるようになればそれはそれでよいことだが、「政策は賛成だけれど短期雇用だから職業として自民党議員になるのは難しい」ということであれば自民党にとって悲しいことだ。
 あと、復党候補の議員たちは、郵政選挙で涙を流しながら反対しておいて「民意は賛成のようですから賛成に変えました」というのはやめてほしい。選挙で訴えた民営化懸念をひとつひとつ自己反証するというならまだ許せるが、あのことは水に流してくれというのだろうからそれは認められない。あくまでも反対を貫くならば復党しようがしまいがかまわない。反対のままの復党は矛盾しているって?・・・

与党というのは矛盾を抱えているものだよ。