サービスしないのもサービス

 郵便配達員が自宅に来たとき、あらかじめ届いていた不在者票「郵便物預かりのお知らせ」を渡したら、それとは違う郵便物だという。平日は、不在者票が届いたときは、自分で郵便局まで行くまで連絡しない。でも今日はたまたま再配達してくれたのかと思った。でも違うようだった。
 配達員が「いつ家にいますか? 言ってくださればそれも届けに来ますよ」という。でも「不要だ」とわたしは言った。「郵便局は遠いでしょ」と言い返されたが「やっぱり自分で行きます」と断った。
 今日は土曜日。わたしは非番の日である。その貴重な休日に、数キロ離れた郵便局まで行くのは確かに遠い。でも遠いのは郵便局員にとっても同じことだ。本局からわたしの家に来るまで、まさかわたしだけのために数十分往復することはなかろう。すると、例えば「2時間後」と指定したところで実際には2時間の間に配達員は郵便局まで戻らないかもしれないし、他の配達先に寄っていたら遅くなってしまうかもしれない。3時間経ったら、配達員が忘れているか、たまたま遅れているか確かめるためにクレームの電話を入れなければならないかもしれない。逆の場合もあるだろう。平日よりも配達量が少ないため、早めに来てしまうかもしれない。わたしひとりのために、指定時刻が来るまで公園で休憩することがあるだろうか。そういう人もいるかもしれないし、早めに渡して帰ろうと考えるかもしれない。
 というわけで、2時間後と指定すると、30分後から3時間後までの間、わたしは時間を拘束されてしまう。せっかくの休みなのに外に出ることもできないし、

昼寝の自由もない。

 それならば、30分自転車をこいで郵便局まで行く方がわたしにとっては時間を有意義に使える。天気が悪くなければ家で待つよりも、その方がいい。
 郵便屋さんにここまで説明するのは面倒くさい。郵便屋さんには不思議そうな顔をしてお引き取り願った。
 ピザ屋だって、30分以内に届けなかったらペナルティーがあるわけで、宅配や郵便配達も時間通り来てくれるなら時間サービスを利用したいものである。でも守れないなら「預かっていますので来てください」と言われた方がよっぽど使いやすい。

拠点の密度

 郵便局は配達拠点を整理統合しようとしているらしい。一方で宅配業者は、駐車違反取り締まり強化の影響もあり、都会の拠点を増やしたいと思っているらしい*1。不在時の預かり場所が10km以上離れていたりすると、それは困る。

*1:拠点の候補地を見つけるのが大変らしいが。WBSでやっていた