スーパー銭湯はお年寄りの楽園

 銭湯のかわりに健康センターや街中温泉の類が増えている。駐車場もたっぷり、食事もできて安値でなかなか楽しめる。サウナや露天風呂*1が増えて地球温暖化は大丈夫だろうかとか、無理矢理に温泉を掘って地下水は大丈夫だろうかとか、ちょっと気にもなるけれど、風呂は独り暮らしでも沸かすだろうから、家庭の風呂を1箇所にまとめたと考えれば環境にもやさしいかもしれない。入場料の安さを考えるとそれほどエネルギーを浪費する娯楽というわけでもなさそうである。
 無料の休憩所に行くとお年寄りが朝から場所取りをして他人を寄せ付けない。家の光熱費は下がるし、浴槽を洗う手間もないから、従来より入湯料が高くても喜んで払うだろう。かつては病院がお年寄りの集会所と化していたが、医療費が上がるにつれスーパー銭湯が新たな老人憩いの場となる。
 今後、競争が進んで、年間パスポート制にしたり、お風呂の種類を増やしたりなど、サービスの多様化が進むだろう。しかし、基本的には回転率を上げ、経費を下げるためにはなるべく滞在時間を縮めなければならない。そのためには24時間営業の廃止、駐車場の時間制限*2、ビデオ施設や休憩リクライニングの撤去、雑誌や新聞の撤去、日曜のテレビ放映(ロビーやサウナルームなど)を競馬実況にしないなどの措置が取られていくことが予想される。
 しかしそれは経営にとっていいことなのだろうか。結局、何もない施設でもお年寄りは長居をする。他に行くところがないのだから。回転率を上げようとすると、きっとお年寄りの楽園化に拍車がかかると思う。

やはり若い客も増やさないとね

*1:温泉を謳っていても、人工的に成分調整もしくは加温している施設も多い

*2:「○時間まで無料、それ以降有料」という仕組みにする