株主総会における株主からの質問で、個人的利益のために会社を利用していると言われた堀江社長が泣いた。
- 議長*1は「質問」を受け付けると言っているのに、質問をせずに提案を始めるのは不規則発言だ。ほとんどは持論を展開しているだけで、質問者が意図する提案が他の株主に対して伝わっていない。
- 自分の意見を通したいなら会場の全員に訴えなければいけないのに、堀江社長個人を攻撃しているように思えない。えせジャーナリズムのまねごとはしない方がいい。また、少数野党の内閣不信任案ではあるまいし、建設的でない動議は時間の無駄だ。
- インターネット企業の意思決定を変えたいなら、わずかな質問時間でがんばるより、会社に入るなり、インターネットの掲示板で建設的な意見を交わすなりして同調者を増やした方が効果的だと思う。
・・・言いたいことはいっぱいある。
株主になるのは株主の自由だ。会社は無数の中から選ぶことができる。ホリエモンで成長している会社であることは明らかだし、M&Aで株価を上げている会社であることは有名なのに、ホリエモン辞めろだの、配当しろだのというのは意味がわからない。
ホリエモンに自分の主張を通すより、他社の株に乗り換える方がよほど簡単で、自分の投資行動に納得がいくと思うのだが。
すでに利害関係者であって、会社の方針を変えてもらいたいと考えるというならまだわかる。原発建設に反対したいから、単位株程度しか資金はないけど電力会社の株主総会に出てひとこと言いたいとか*2。でも、ホリエモンの株なんて、市場流動性が高いのだから、気に入らなければ売ればいいではないか。売ったら、ライブドアと関係なくなるのだから。
ニッポン放送やTBSの騒動で注目すべきは、大株主になっても会社を支配できなかったということだ。既存株主や社会に受け入れられなかったということだ。ましてや零細株主で、実現性の低い提案を投げつけるのは他の株主が許さない。
堀江社長は、
あんた、どうせい100株か1,000株くらいしか持っていないでしょ。議場まで来る交通費くらいにしかならない金をもらってどうするの?!
と言いたかったことだろう。これが言えなくて悔しくて泣いてしまったのかな。M&Aは今後も進めるのだろうが、会社買収にあたって既存の利益関係者の思いを若干理解できるようになるだろうか。
株式分割で株価が上がることに根拠がないとするなど、かなり常識的な発言をしていると思う。来年は「そういえば、去年はホリエモンっていうのがいたね」なんて言われないようにがんばっていただきたい。