看板の掛け替えはいらない

 道路4公団が民営化された。例えば首都高速道路株式会社は、10月1日未明の段階でもうWebサイトも新デザインに切り替わっている。
 JRや東京地下鉄と違い、がんばって看板の掛け替えをしなかった。すばらしい。報道はJHなどのロゴを継承する新会社のことを「役人の天下りで看板の掛け替えにすぎない」と批判するが、本物の道路標識を一所懸命交換することをしなかった*1。民営化の知らせを聞いたとき、9月30日は金曜日なので、10月1日夜から看板掛け替えの一斉工事を始めるのかと思っていたが、そのような愚挙は予定されていないようだ。
 高速道路の道路標識が緑色なのは、法律で決まっているからだろう。しかし、そのうちJRみたいに北海道は黄緑、西日本は水色になるのだろうかと冷や冷やしている。
 第三セクターもそうだが、鉄道の民営化新会社は効率経営を期待されているはずである。ロゴだの標識だの、なぜデザイン会社や広告代理店に何億もの投資を行うのだろうか。
 せっかくやるなら、全日空ポケモンジェットのように、乗客が楽しめるような企画ならまだいいが、鉄道はあまり世間の関心を集めていない(鉄道ファンを除く)。つまり、ほとんど投資効果がない。
 職員は会社が変わるときに、車体塗装も制服も変えて気分一新したいと思うかもしれないが、乗客には全く関係ない。無駄なところにお金をかけてほしくないと考える。
 その点、大都市で廃止された電車を塗装も変えずに使う広島市電などはポリシーが貫かれていておもしろい。道路新会社は今のところ合格点である。どうかがっかりさせないでほしい。

*1:Webデザインの変更は各社ごとにサーバー1箇所だから、いいと思う。道路標識は無数にある