懸賞はWebが主流へ

 雑誌や日用品についている懸賞といえば、これまでははがきで応募するのが当たり前でしたが、先日買った賞品についていた懸賞のお知らせには1行、

詳しくは、http://********をご覧下さい

と書いてあるだけでした。インターネットに接続できなければ懸賞の応募要項すら見られない時代が来たようです。
 サイトにアクセスすると、映像を見せられて最後に応募フォームが出てきました。ちょっと時間がかかりました。
 インターネットを用いたキャンペーンでは

  • 自社商品の情報にふれる時間が長く確保できる
  • 自社商品に対する理解を深めることができる
  • 応募要項を書くスペースの制限を考慮したり、別紙を付ける手間がない*1
  • はがきの集計の手間がなくなる
  • 郵送代を負担していた場合はそれがなくなり*2、郵送代を負担させていた場合は応募者に意識させることがなくなる*3

といった長所があるようです。
 しかし、個人情報が容易に収集できるようになったものです。プライバシーポリシーは掲示されるようになりましたが、「必要最低限の範囲で」などとなっていて、「必要な範囲を超えないようにいたします」と言われても何が何以上になるのか全くわかりません。必要な範囲を決めるのは我々だという意識が色濃く出ているように思われます*4個人情報保護法は、個人情報管理の権限を個人情報取扱業者から情報主体(各個人)の側に戻すための法律であることが全然理解されていません。
 経済産業省は懸賞実施に関する個別分野ガイドラインを出して「懸賞の際は、懸賞を実施する都度、実施の目的を具体的詳細に明示すること」と書くべきです。経済産業分野ガイドラインは全く守られていません。

  • 自社の**商品購入者層に対してダイレクト・メールを送信するため
  • 自社の**商品購入者の年齢層を把握するため

と本音で書くべきです。昔ながらの

  • 自社製品をアピールして認知度を高めるため
  • 代替商品利用者に、自社商品の理解を深めるため
  • 自社の**商品購入意欲を増大させるため
  • 自社の**商品購入者に対するサービスのため
  • 自社のブランド・イメージに関連した無償サービスを提供し、同イメージの向上を図るため

というようなことを本気で考えている時代ではないと思います。素直に

個人情報がほしい

と書いたらいかがでしょうか。

*1:URLを書くだけでたくさんの情報を消費者に知らせることができる。雑誌の懸賞ではあまり重要ではない

*2:サーバー管理は別途必要

*3:実は電気代やインターネット・サービス・プロバイダへの接続費用、通信費用は発生しているのだが、郵便切手と違って1件ごとの通信ではあまり意識しないということ

*4:だから、どうとでも取れて、どのような業務やイベントでも矛盾がないようなポリシーになるのです。「なんでこんな使い方をしているんだ」と抗議しても「これは我々が必要最低限と考えた範囲ですので」と弁解するに決まっている!