続・素人には難しい

 パソコン画面に並ぶ難解文書に悩む人の話を書いています。前回はソフトウェア・ダウンロード・サービスでしたが、今回はインターネット・オンライン・サービスの申し込みです。
 無料のWebメールを使っていたその人は、長い間使用しなかったことでアカウントが停止していることまではひとりで理解できました。ところが、その後の手続き方法がわからなかったようです。
 まずは利用許諾契約書の画面です。

更新日付: 2003年10月2日

と画面に書いてあったのを見て、

1箇月間もアクセスしなかったんだね。

と言っていました。「ログイン日付が最後に更新された日付」と高度な読解力を発揮したつもりかもしれませんが、よく見てください。2003年です。これは契約書の文面の最終更新日付だと教えました。必要ではない情報が目立つところに置かれることもありうるということも理解しなければなりません。なお、その画面は前回のサービス申し込み時に一度見ているはずなのですが、前回つまずかなかったところで、新たにつまずく人がいる可能性があることをプロの人たちは理解しておきましょう。理系的な発想では理解不能かもしれませんが。
 次の画面は、チェックボックスがたくさん並んでいました。「何にチェックを入れればいいのかわからない」と10分悩んでいました。こういう人は、次のページに遷移するボタンが一番下、説明書きが一番上にあることを知りません。真ん中あたりを行ったり来たりスクロールしているので、見ているだけでいらいらしてきて、しまいには「説明は一番上だ!」と怒鳴ってしまいました。
 しかし、こういったページはアクセシビリティーが悪いページの代表例であり、本来はその人を怒鳴るのはおかしかったかもしれません。真ん中だけで行ったり来たりできるほど、画面が長いのがまずおかしいのです。また、日本語の説明文も何を説明しているのか意味不明で、画面のデザインを見て、どんなことができるのかの想像がつくようなヘビーユーザーでないとわからなかったかもしれません。
 このページは「メールマガジンを無理矢理送りつけようとするためのページ」で、チェックを入れるとそこに説明されているメールマガジンが定期的に送られる仕組みになっています。意味がわからずチェックをする利用者がいれば、サービス提供者側は万々歳なのです。そのためにわざとわかりにくく作ってあります*1。わたしは、必要と思わなければ必ずどれかを選ぶ必要はない。選ぶ必要があればそういうことが書いてあるはずだ、と説明しました。
 Webデザイナーが、いかに初心者を無視したページづくりをしていることがわかります。全国でIT講習会が繰り広げられていますが、果たして受講生は今も上手にパソコンを使いこなせているでしょうか。

ネットの荒波に初心者ユーザーを泳がせすぎると、ネット詐欺が横行するかもしれません。

*1:一番上に「次へ」というボタンを置いて、いらない人には飛ばしてもらおうなんて配慮をするはずがない