それくらい知っているってば。

 9月24日の続き。ITmediaの画像が見られない話について、とある人から

そんなの、見られるように設定を変えればいいじゃん。

とのご助言を頂戴した。
 ITMediaのサイトは、次のようなものだ*1。役所の窓口に書類を請求しに行き、窓口の前で待っていたら呼び出されたので行ってみると、「もう数種類の書類申請が必要です」と言われたようなものである。ここまでは他のWebサイトも同じ*2である。Webサーバって、案外お役所仕事なんだなと思っていると、この後、最初のも次のも、同じ部署から発行されるようなことを示唆された上で、こう言われる。「両方とも即時発行で、最初はこの窓口から出ますが、残りは隣の建物に行って申請してください。」さらには「申請結果は、最初の書類に追記されます。両方ないと1枚になりません」と。なんだか怪しい。同じ部署が発行するというのは思いこみだったというならそれはよしとしよう。ただ、片方は申請と同じ窓口で出るとまで言っておいて、もう片方はなぜ隣なのか。隣の窓口ではない。隣の建物だという。普通、部署間で送付してくれるだろう。なぜ、役所内の文書送付をやらされるのか。そもそも、

ひとつの書類をもらうのに、なぜ窓口をはしごしなければならないの?

こういう役所は信頼しない。
 インターネットの場合は、次の申請に相当するものはWebブラウザが勝手にやってくれるし、隣の建物に相当するものまでユーザーが自分で歩いていく必要がない。勝手にやってくれるのはいいが、隣の建物が本物の役所かどうかはWebブラウザが確かめてくれない。ちなみに、インターネットには本当は隣とか親戚*3とかはないし、他のサイトを簡単にコピーできるし、いったん建物を出たらすぐには信頼してはいけないのである。だから、セキュリティー・ソフトが「そこに行くな」と助言してくれているのである。
 このような設計をするサイトはわたしは信頼しないのである。設定を変えろと言うが、わたしはこのサイトを怪しいと考えている。むしろセキュリティー・ソフトにはちゃんと監視してほしいくらいだ。なのにどうして逆にセキュリティー・ソフトの設定を緩和しなければならないのか。
 緩和する設定は、わたしの使っているソフトでは「トラスト(信頼)」と呼ぶ。ITmediaをトラストに設定するのはどう考えても変だ。
(2004/11/8追記)
 なお、ITmediaの説明は、http://www.itmedia.co.jp/info/image.htmlにある。

*1:セキュリティーの話題にたとえ話を使うのは良くないと言われているが、他にアイデアが見つからなかったのですみません

*2:実際の役所でもあることだろう

*3:www.itmedia.co.jpとimage,itmedia.co.jpは、後ろが同じだから許されるという考えなのだろう。現に、なりすまし犯罪が介入する可能性はほとんどないけれど、不正が難しいならユーザーに混乱を与えるようなことをしていいのか。設定を緩和している特定の人をだまそうと思ったら技術的にはそう難しくない