ショッピングセンター渋滞

 国道16号線を千葉県船橋市から柏方面へ車で向かうと、途中「なんでこんなところが」というところで渋滞していることがある。たまにちょろっと進んだり、いくらか進んだりするが、いずれも長続きしない。「この動き、事故渋滞でも自然渋滞でもない。踏み切りでも工事でもないなあ」と思って先頭にたどり着くとわかる。なんと、週末ドライバーが、郊外型ショッピングセンターの駐車場への右折待ちをしようとしているではないか。
 駐車場は常に満車で空車待ち。さらに対向車線もいつも混んでいて、反対方面からの車も左折で流入する。だから、駐車場があき、かつ対向車線が先の赤信号でふさがれているというまれな場合にしか右折を開始できない。そんな車が1車線しかない本線を占拠しているから、後続は右折車が幸運をつかむまで待たされるというひどい状況になっている。
 買い物をしない人にはえらく迷惑なこの渋滞を「ショッピングセンター渋滞」と名づける。
 20mくらい、右折レーンを作ってくれればいいのに。信号を立てるのもいい。いやせめて、週末だけなんだし、手信号する警官を出してほしいなあ。え、行政は民業に協力できないって? いえいえ、渋滞しているのは国道ですってば。
 東京の西武百貨店池袋店。池袋駅東口の明治通りはいつも渋滞しているが、駐車場の進入路付近はいつも交通量こそ多いが比較的流れていると言えよう。よく観察してみると、西武デパートは整理員を大量に派遣し、すごいときは交差点の中の方にまで立って交通整理をしている。民間人がそこまでやっていいのかはこの際どうでもよくて、しっかりやっているなという印象を持っている。さらに言えば、右折横断進入の自粛をお願いしているし、客もそれに従っている。納品車が明治通りに出る搬出口には西武専用信号まである。さすが西武。
 一方、同じ都内でも国道14号線(京葉道路)沿いにある某百貨店の場合。分離帯があって右折横断はできないようになっているし、駐車場入り口での交通整理は行われているのはいまどき当然である。だが、進入路の手前では「タクシーの降車」と、駅から来る人を拾うための「待ち合わせの駐車」と、「駐車場待ちの停車」がごちゃごちゃになっていて、週末は二車線が埋まってしまう。実はわたしも先日その擬似二重駐車状態の車列に参加してきてしまったが、そんなところで待ち合わせ駐車をしている「交通の流れがわかっていない」車をみかけた。友達に会えたから移動しようとしたのだろうか、擬似二重駐車の奥から這い出ようとして一所懸命になっていた女性ドライバーは、運転が上手か下手かどうかはわからないが、周囲の交通がつかめずパニックになっていたことは確かのようだ。道の左端に止めているのだから右前に出なければならないのに、なぜかバックで右後ろのわたしの車に向かってきたときは「正気かぁ」と叫びたくなった。
 わたしたちデパートに入りたい人のエゴで言えば、駐車場入場待ちの車だけが並ぶようにした方がいいと思うが、その後ろで渋滞に巻き込まれた車にとってはどれも悪者である。京葉道路は最大6車線もあり、渋滞など起こりようもないはずなのだが、ここは3車線+路側帯で、二重駐停車を避けようとする車で流れが悪くなるからやはりショッピングセンター渋滞は起こっている。
 二重駐車は大阪名物だと思っていたのに東京でも見られるなんて。補足しておくと、「駐車禁止」のコーンも立っているので2.5重といったところだろうか。交通量の多さは仕方がないとして、ちょっと変えれば防げる渋滞も多いと思うのだけどな。