地デジ 普及率上がらず

難視聴地域が存在するのは問題だが、普及率が上がらないのは何が問題なのだろうか。
地デジとアナログの併存期間は十分確保した。電波周波数帯域は有限であるから併存し続けるのは社会的に損失である。少なくても、アナログチューナーが搭載されたデジタルテレビが出荷される続けるのはとてももったいない。
普及率が上がらないことで、総務省とテレビ局は困るだろうが、一般市民は困らない。テレビの仕事で生活している人も少なくないかもしれないが、テレビを見ないと生きのびられない人はいないし、そう思い込んでいる人は新しいテレビを買うだろう。
これから、終了予告の告知を増やそうとするかもしれないが、行政予算にも放送予算にも優先順位があるのだから、焦る必要はない。停波前日になったら草なぎくんが出てきて「そういえば、明日だったよね」と言えばいいこと。
CDだって、DVDだって、必要となれば普及率を上げてきた。第三世代携帯電話は「基地局が少なくて電波がつながらない」と評価はさんざんだったが、今では普通に使われている。切り替え直前の品薄や、停波直後のブラウン管テレビ大量廃棄を問題にする人もいるが、それは普及率の上昇カーブが緩やかなこととは関係なく発生する問題だ。
テレビ以外のメディアが、普及率を問題として報道していることが不思議である。テレビ切り替えに国民に関心がないのだから、そのまま放置しておけばよい。テレビは電気・水道・ガスとは違う。また、電池で駆動し災害時に役立つラジオとも違う。
地デジの目標は、電波の効率活用と新サービスの展開だ。ひとりでも多くの国民に美しい画像を見せることではない。見つづけたいと思う人にだけデジタル波を届ければいい。

普及率向上対策費用は、すべて難視聴地域解消に振り分けるべきだ。

ちなみに、個人的には地デジの映像はきれいだと思う。

放送の今後

ホテルや旅館で一部屋ずつ置いてあるテレビはまともにNHKの受信料を払っていないという噂があるそうだが、そのうち、わざわざ遠くまで来てテレビなんか見なくてもと思うようになる日も来るかもしれない。テレビが見たい人は携帯電話のワンセグもあるし、部屋にブロードバンドがひかれていれば映像配信を楽しむこともできる。ワンセグも入らないような山奥では、どうしても映像を見たいなら家で録画してきたものを持ち込んだり、ゲーム機を持ち込んだりするのだろうが、そんなことより自然を楽しんだ方がいいと思う。
昭和の二大機械娯楽であったテレビと自家用車。いずれも、ここにきて「どうしても欲しいもの」ではなくなりつつある。
ただし、テレビ局は膨大な過去の映像を保管しているから、すぐになくなられても困る。当面は、現在を記録し過去を保存する役割を続けてもらわなくてはいけない。他のメディアに任せると、特に地方の映像が残らないと思う。ただし、教育テレビや、バラエティ番組は別のメディアでもいいかなと思う。