白夜行

 最終回で、雪穂がパソコンを使ってWebページを作っている。「土日でマスター ホームページの作り方」という、初心者向けと思わせる題名の本*1を手にしながら、スタイルシート入りのHTMLをバリバリ書いている。いや、よく見ると雪穂のパソコン画面の1行目にはXMLの宣言文がある。これはXHTMLだ。近頃はWebコンテンツの技術書を読むことがなくなったが、

入門書のレベルは高くなっているようだねぇ

 本の表紙には「Front ?age98」*2とある。あれ、ドラマの時代設定では2005年に入っている思うのだが、Front ?ageはまだ98なのだろうか。ところが、バージョンなんてどうでもいい。雪穂がパソコンで使っていたソフトウェアは

エディターだった。

雪穂はFront Page対応の本を持っているのに、タグは自分で入力している。実在のGUIツールを使わなかったのは著作権に配慮しているのかね。ウィンドウ上部のタイトルバーには、「ページクリエイター Ver.6.21」とある。Google先生では引っかからなかった*3ので、このソフトウェアが架空のものだという仮定で一つ言わせてもらう。実際にありそうなバージョン番号のナンバリングルールを知っていて、ウィンドウ画面を手作りするスキルはあるのに、なぜウィンドウタイトルにバージョン番号を書いてしまったのだろうか。

そんなところに普通は書かないでしょう。

書くとしても、小数点第2位まで入れることはありえないと思う。ソフトウェアの開発者は、プログラムに細かな修正を入れるたびにタイトルバーを編集しなければならない。
 わたしは人がWebページを書いている最中の画面を初めて見たが、わたしだったらHTMLの開始タグと終了タグを書いてから、コンテンツを間に書くけれどなあ。まあ、<h1>タグを書くところだったので、ありえない書き方ではなかったけれど、

いかにも、すでに完成しているソースを見ながらタイピングしているという風だった

入力速度はかなり速く、コメント文を含めて手を休めることなく打ち込んでいたのは見事。土日でスタイルシートをマスターしたのはたいしたものだ。なあ、雪穂。*4

 別のシーンでは、R&YのWebサイトを表示したと思われるInternet Explorer 6.0らしきものも確認できた。IEのロゴが入らないようにウィンドウ左上がはみ出るような映像になっていたが、エディター上では<title>R&Y</title>というソースを書いていたのに、IEのタイトルバーに文字が書かれているのが確認できない。いくら左上が切れているとはいえ、メニューバーの「ファイル(F)」の「イ」の文字は映っていたので、その上あたりにはタイトルの2〜3文字目の&かYが来るはずである。「R&Y」と書かれていないことは確実である。雪穂が書いていたXHTMLと、作ったサイトは別物ということになる。

*1:本のカバーのデザインは、HTMLホームページの作り方という本にそっくり。http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4405056935/249-3596698-5993910 きっと、HTMLでは一般の人に理解しにくいので小道具係がいじったのだろう

*2:画像のように、綾瀬はるかの親指で「P」が隠れているが、よく見たら裏表紙では「P」であることを確認できた。ちなみにAmazon.co.jpで確認したところ「HTMLホームページの作り方」の本には特定の製品名の記述はない

*3:Google Page Creatorは別

*4:ドラマで亮司が何度も言っていたから、使ってみた...