大変すばらしい!
クレジットカードでチャージできる*1し、パスネットよりも上限金額が高く、補充の手間が減る。子供用カードもできる。
バス共通カードとパスネットとSuicaイオカードが1枚になる。バス共通カードは、あまり売っているところが多くないし、運転手から買おうとすると嫌がられることがある。混んだバスで料金支払いの列を滞らせるのは気が引ける。鉄道と共用ならばわざわざバスで補充することがなくなる。
バスだけでなく、大阪でも仙台でも使えるというから、ソニーは万々歳だ。ウォークマンやベガを売っている場合ではない。今後のソニーはゲームと「社会インフラ」で勝負だ。
ライバルは、任天堂とNTTグループ*2だ
もう家電はいいのではないか。
ソニーのもうひとつの大型得意先であるEdyは、利便性でSuica+PASMOに並ばれた感がある。対抗策はあるのだろうか。
ところで、気になることがいくつかある。
- バス共通カードは、五千円で850円という高い還元率が魅力である。PASMOにおいてはバス事業者でポイント・サービスを検討中だというが、各事業者「ごと」に還元の仕組みが作られるのだとしたら、いつもの利用経路ではないバス会社をたまたま使った場合はポイント割引が適用されないことになる。また、複数社による共同運行路線の場合は、ポイントが通算されないから利用者に不利である。
- JRもバスも定期券の人は、SuicaとPASMOの両方を持つのだろうか。あるいは1枚にしてもらえるのだろうか*3。両方必要なら定期入れを別々にしなければならない。もちろん、紙のバス定期券が今後も発行されれば問題ないが。
- 西船橋駅で乗って、中野駅で降りた場合は、JRとしてSuicaになるのだろうか、それとも東京地下鉄としてPASMOになるのだろうか。千代田線北千住なども同様。
- 新宿駅で乗って、綾瀬駅で降りた場合は、現行では日暮里乗換Suicaのみだと290円、西日暮里乗り換えSuica+パスネットだと380円、西日暮里乗換連絡切符だと「連絡運輸」という取扱になるそうで190+160=350円となる*4。さて、SuicaとPASMOが相互利用できるようになるとどうなるのだろうか。切符を券売機で買わなくても西日暮里乗換で350円を実現してほしいものだ。
- 記名SFカードの個人情報保護はどうなるのだろうか。電子マネーの買い物記録と個人情報(カードIDを含む)がリンクしない仕組みはきちんと守ってほしい。
- JRのSuica、私鉄のSuica、PASMO、ICOCAは完全互換なのだろうか。実際は違うはずだが、違いが解説されていない。引っ越しで、主に利用する鉄道会社が変わったとき、カードを作り直すべきなのか判断する資料を作ってほしい。Suicaの残高照会は大阪ではできるのかいなかなど。
- PASMOも、Suicaのように商売気を出し始めるのだろうか。私鉄各社はこれから券売機や自動改札機に設備投資をしなければならない。クレジット・カード会社や沿線小売業者と組んで電子マネー・ビジネスで稼がなければならないはずだ。JR東日本のビジネス・モデルに追随できるだろうか。
- 上述したが、鉄道・バス併用者からの前払い収入は確実に減るだろう。バス会社はどうするのだろうか。
- 設備投資の進展状況にもよるが、パスネットはあと5年程度でなくなるだろう。磁気カードのビジネスは確実に衰退期に入った。NTTのテレホンカードはICカードを廃止したが、磁気もじり貧である。ファミリー・レストランもポイントカードを廃止する方向にある。磁気イオカードもサービスを終了した。残るはスーパーや薬局などの小売店のポイントカードだが、還元率の高いカードを除くと消費者からは財布を膨らますだけだと不評である。プリペイドカードに写真をつけて付加価値を付ける商法が懐かしいものになる日も近い。
まあ、いろいろあるが、今後に期待する。