プリンタ

 MS Windowsで「プリンタ」というと、コンピューターの記憶部分に作られるプリンターの設定のことをさす。事務所で紙を印刷したり、家で年賀状を刷ったりするときに使うプリンターのことは「プリンタ・デバイス」と言う。
 Windowsは、ワープロソフトなどから印刷の指示を受けると、プリンタ・デバイスが理解できるデータ形式に変えた後、一度「プリンタ」にデータをため込み、そこからプリンタ・デバイスに送信を行う。
 ノート・パソコンを持ち歩くと、使いたいプリンタ・デバイスが毎回変わる。家では家のプリンターを使いたいし、会社では会社のプリンターを使いたい。ということで、最近は接続しているネットワークが変わると自動的にプリンタ(設定)を切り替えてくれるソフトがある。
 ただ、ときに失敗する。たとえばVPNという仕組みで、家に居ても会社と同じネットワークにつないでいるようにすることができるが、家にいるのに会社のプリンター(装置)に出してしまうというようなことが起こる。自動切り替えのソフトも万能ではなく、ときに会社の設定のままネットワークがつながってしまうことがある*1。誤作動なのだが、ネットワークを使う分には問題ない。Webもメールも使える。しかし、プリンタの設定は会社のまま。
 印刷するときの操作は操作が単純である。Altキーを押したまま「F」→「P」とか、プリンタ・デバイスのアイコンをクリックするだけなど、確かめる間もなく操作が完了してしまう。設定が間違っていると気づいたときはデータが会社まで送られてしまう。設定を確かめなかったことを反省するか、会社の仕事を家に持ち帰ったことを反省するかは時によって異なるが、紙はもったいないし、印刷した紙は置きっぱなしになってしまうし、なんとかならないかと思う。
 ネットワークがつながっていないプリンタに出してしまったときは、パソコン内のプリンタから、プリンター(装置)に印刷情報が出て行かないので、パソコンが固まった状態になってしまう。こんなとき、たいがい作成中の文書は保存前だったりするので、待ちきれなくてもパソコンの電源を落としてやり直すわけにはいかない。ひたすら忍耐を求められる。
 持ち運びを行うパソコンでは、Windowsの「通常使うプリンタ」の設定を

「なし」とか「都度設定」という状態にしたい

ものだが、そういう設定は用意されていない。
 回避策としては、PCの中だけで完結するプリンタを作成することだ。たとえば、Adobe Acrobatを導入したときに作られる「Acrobat Distller」が代表的。設定を変えずに印刷したときは、プリンタがプリンタ・デバイスに情報を送るのではなく、パソコン内の別のソフトが起動して情報を受け取る。結果としてPDFファイルができあがるだけで、遠くのプリンター(装置)が動き始める心配はない。ただ、PDFができあがるまで多少時間がかかるのが難点だ。できれば、プリンタから受け取ったデータを、何もせず破棄してくれるソフトがあるとうれしい。
 ところで、プリンター・デバイスは多様化している。1台でFAXやらスキャナーやら、紙にまつわるいろいろなことができて、何が本業なのかわからない。ついにはコピー機とも合体して、穴開けやステープラー*2止めまでやってくれる。
 便利なのだが、頭がまだついて行かない。今までは、コピーを用意したいときはコピー機を使うものだった。だから、いつも、Windows上で印刷の設定をするときは「1部」だった。部数設定の欄はあまり気にしなかった。ところが、コピー機に直接出力できると、「カラー・両面・穴開け付きで15部」なんて設定のままで印刷し、設定を変えずに保存してしまうことがある。次にそのファイルを呼び出したとき、白黒で1部だけほしくても、コピー機は前の設定のまま忠実に作業をしてしまう。

試しづりしたかっただけでも。

印刷設定は要注意だ!

*1:両方ともDHCPからアドレスを取得する仕組みになっている場合など

*2:いわゆるホッチキス