まじめな人事担当者に送る、通称高度プロフェッショナル制度導入マニュアル

社畜の幹部候補生に協力をとりつける

どんな会社でも、将来を嘱望されている若手というのはいるものである。事前にその若手の協力を依頼する。

労働者代表の同意をとりつける

「国の制度としては存在するので、今後中途採用する人向けなどのために社内に制度は作っておくが、すでに社員となっている方に会社側から高プロ適用の打診を行うことはない」と説明する。「同意を強制しない」という言い方をしてしまうと警戒されてしまうので、こちらからはお願いしないと言い切る。将来の改悪を懸念しつつも、誰ひとり強要される者がいないとすれば反対する理由は見当たらない。

一時期、昇進を全社的に凍結する

管理職の定年退職があらかじめわかっていても後任を昇進させない。新しい部署の設立もポストの新設になるのでやめさせる。

最初に協力をとりつけた若者を管理職に昇進させる

高プロに移行させた上で管理職にする。できればその1名以外の例外を作らないことが望ましい。なぜ昇進できたのか、みんなに憶測させる。

中間層の定期昇給を廃止する

仕事ができないおじさんおばさんを昇給させない、というのは一見すると若者重視の経営に見える。労働組合などの同意は必要だが、限られた昇給原資を将来ある人材に振り分けると言えば渋々賛成してもらえるのではないか。

昇進の壁、昇給の壁を打破する手段として高プロが不可欠という噂を流す

高プロ適用の方法についての問い合わせがくるのを待つだけ。