抽籤

「お客様の中から抽選で○名様に当たるキャンペーン」というのを消費者向けに商売している会社はやりたがるけれど、住所や名前を書かされるだけで当たることはなく、むしろ苦痛なのではないかと思うことがある。自動応募で必ず送られてくる株主優待の方が手軽で楽しい。ただし数万円からの原資が必要である。
サントリーのWebサイトやネット系金融機関で、毎回の個人情報記入が不要というサービスをやっているが、ずっと当社に関心を寄せてほしいという目的のために工夫されている。ただし、それだけでは不十分だ。

終了発表もするべき

ただ、どの会社のキャンペーンもそうだが「当籤発表は発送をもって代えさせていただきます」というのが理解しがたい。応募者に「応募したら当社のことはもう忘れていいですよ」と言っているようなものである。お互い、何のための手間なのかわからなくなる。
「代えさせていただきます」が増えた背景には、当籤者名が個人情報にあたるため公表できないこともあるかもしれないが、実際は掲載するのが面倒なだけなのではと思ってしまう。ペンネームを書かせるのでもいいし、「発送は完了しました。おめでとうございます。」ということだけを公表するのでもいいと思う。一方、「応募期間は終了しました」ということだけを公表している会社があるが、応募期間終了=キャンペーン終了というのは募集側の発送であって、応募者は発送終了=キャンペーン終了であり、応募期間終了の告知は応募者側に立っていない。

空くじをなくす

宝くじが優れているのは末等を設けて10枚買えば空くじなしになるようにしていることである。空くじなしということは若干の費用負担はあるが当籤発表の際にもう1回自社の方に振り向いてもらえるチャンスであり、次のキャンペーンへの勧誘もしやすい。
例えば、ネット銀行。預金をすれば自動応募で一切手間なしだが、応募も発表もコミュニケーションがないキャンペーンの意味があるのだろうか。キャンペーンのちらしを刷る業者の援助で行っているように見える。せっかく口座があるのだから、末等で10円くらいプレゼントすれば「あれ、これは何?」と預金者に興味を持ってもらえるのにな、と思う。