システム・エラー

 2006年1月6日のWBS東証のトラブルなどを受けた特集で、テーマ設定はいいと思うが、コメンテーターが話している内容はめちゃくちゃ。

日本人は器用で無理な納期を守ろうとするから、チェック機構がうまく働かない。

日本人だろうが、外国人だろうが、たくさん人を集めて大規模なシステムを作ると、人と人との連携がうまくいかなかいこと、知識や経験が人によってばらばらなこと、横着や手抜きをする人間がいることが問題になると思っている。これらのことは、製造(いわゆるプログラム作成)の現場でも、製造後の検収・検査の現場でも共通することだ。日本人の性格はあまり関係ない*1

トラブル慣れしている国ではトラブルが起こったときの対応がうまくできるが、日本は信号機が消えたことがない国だから、トラブルに免疫がない。

冗談じゃない。阪神・淡路大震災でも、物資やトイレが不足しても暴動ひとつ起こさずじっと耐え、住民コミュニティーを再構築し、復興した実績のある国民だ。最近の新潟の広域停電でも、交通事故が乱発したという話は聞かない。

いたずらに不安をあおっているだけではないか。

 利用者がリスク情報の開示を受け、リスクを共有し、費用を負担する必要があるというのはいいご指摘である。
 番組の最後に「責任者がITをわからなければならない」という話をしていた。確かにわかった方がいいに越したことはないが、ITの勉強をする前にきちんとリスクを理解してもらいたい。

  • 高い金を払っているんだから、壊れないだろうなぁ
  • 止まったらコンピューター会社のせいだからな!
  • 何かあったら無料で直してもらうし、何かがないように対策をするのも無料でやってもらうぞ

というのがシステム購入者側の本音。気持ちはわからなくもないが、現実にはそういうことはないのだから、止まらないようにするために何ができるのか、止まったら何をすべきかは、コンピューター会社といっしょになって悩んでほしい。

*1:だいたい、外国で作られるITシステムが日本のITシステムに比べてどうなのかの言及はなかったし、そんなことを知っている人はほとんどいないのではないか