正月なのに、まだ売っている年賀はがき。今年は、どの郵便局にものぼりや横断幕がやけに目立つ。
以前は年末にほしくなっても売り切れて入手できなかったが、今ではコンビニなど、販売チャネルも広がっているし、販売期間も長い。でも売れていない*1。
日本各地で、販売促進の名の下に不要なエネルギーを使っているのではないかと不安になる。もうすぐ民営化するというのに、駅改札前などの公共の場で出店を出しているが、他の人たちはそこで商売ができないはずだ。邪魔である。局員は北風吹きすさぶ中かわいそうだし、無理して売ることもないのではないか。
郵便の需要を引き留める策は、販売促進以外にないのだろうか。
先行してデジタル化した写真業界はどうだったか。今年の正月もフジカラーのコマーシャル「お正月を写そう」を見ることができた。樹木希林が何歳になるまであのCMを見続けることができるだろうか。媒体を変える策は失敗した。今、APSのことをみんなは覚えているだろうか。今の富士写真フイルムはデジタルカメラやデジタル複写機が収益の柱になっている*2が、郵便がデジタル化するならば何だろうか。
名簿をコンピューターから入れれば、勝手に刷って送ってくれるようなサービスがあれば便利だが、個人の名簿を郵便局に渡してしまうのはやや不安だ。郵便事業は、デジタル化すると個人情報保護が障害になってくる。
そういえば、わたしの身の周りで年賀状が減っているのは、不要な名簿を廃棄したり、名刺や職員名簿、クラス名簿の使用が目的外使用だとして自粛されたりするからだ。全国的な傾向として個人情報保護が影響しているかどうかはわからない。電子メールの普及かもしれないし、コミュニケーションの希薄化なのかもしれない。ただ確かなのは、少なくてもこれから売り上げが上向きになるような要素は思いつかないということだ。
あと何年、今の姿が続くのだろう。年賀はがきも、郵政事業も。