総合家電メーカーのオンライン・サポート充実度比較

 NECの文豪(ワープロ専用機)のWebサイトを見たら、未だに消耗品の販売を続けているとのこと。すばらしいと思った。
 ただ、インターネットの時代だから、オンライン(Web)で型番が調べられたり、できれば購入までできたりしてほしい。このことについては2005年3月21日(http://d.hatena.ne.jp/o1y/20050321)にも少し述べたが、今回は格付けをしてみた。<調査方法> 以下のような作業で消耗品購入の具体的情報が得られるかどうか、購入後サポートをやる気があるかどうかを検証。

  • 「取扱説明書は捨ててしまった」というわがままな消費者を想定する。
  • 自宅にある家電製品の消耗品を検索エンジンで調べてみる*1。オンライン・ショッピング・サイトばかり*2で、メーカーのページが出ない*3場合はメーカーにやる気なしと判断。
  • サイトに備え付けの検索入力欄にキーワードとして「消耗品」や、消耗品の型番、製造中止済み製品本体の型番を入れてみる。検索結果として消耗品一覧への誘導ができているかを調べてみる。
  • たいていのサイトには「サポート」というリンクがトップページにあるので、リンク先の充実度を確認する。「お問い合わせください」と出るサイトはやる気なしと判断。
  • 家電(空気清浄機等)を中心に調べた。(PCやPC周辺機器については今回除外)

結果はあまり芳しくなかった。

  • A: ポータルがあり探しやすい
  • B: 一部あるが、製品紹介ページの補足としての取り扱いで、見つけるのが難しい
  • C: 該当ページがない、あるいは「電話でお問い合わせください」と軽くあしらわれる

松下電器/松下電工が圧倒的に優れている(PanaSense http://www.sense.panasonic.co.jp/PanaSense/shoumou2005/index.html)。消費者にとっては電産と電工の違いはどうでもいいことだが、最近はその違いを気にする必要がないサイト構成になっている。PanaSenseでは両方取り扱っているらしい。ナショナルのお店に行ってもいいし、Webでもいいし、文句のつけようがない。
 一方で、製品のラインナップがすごく多いのに、シェアが低く、消耗品が探せない売り方をするメーカー(関西の*とか)は、消耗部分が外せる仕様にしているだけで、客は二度と取り替えることができない。なぜなら、そういうメーカーはたいてい量販店*4に行っても消耗品が充実しているはずがないからだ。

消耗部分のみならず

本体も含めて使い捨て

なのである。だいたい、なくなったら買うものなのだから、なくなったら問い合わせてくださいっていうのは売る側の傲慢でしかない。トイレで用を足した後に「トイレットペーパーが切れたら買いに行ってください」と言われるほど困る。コストがかかるから、置き薬やダスキンみたいに定期的に交換にきてほしいとは言わない*5。でもなくなったらすぐ買えるようにはしてほしい。
 わたしは本体を買いに行ったときに「どうせい消耗品を取り替えるのだから、初回分の消耗品も一緒にください」と店員に頼んだところ、困惑されたことがある。そこで店員がすぐに消耗品を棚から選べないなら、次に消耗品を買うときも不安だ。ここのときは、もし本体の選択にこだわりがなかったら本体を買うのを断っていたところだった。
 今回は総合家電メーカーを対象としているが、例えばプリンター2大メーカーで言えば、CanonEpsonはAである(ただ、個人的にはCanonは少しわかりづらいところにリンクがあった)。わたしは量販店で店頭に無数に並んでいるインク・カートリッジを選ぶ作業を「捜索」だと思っている。店員をあてにしても、運が悪ければ知識のない人にあたるし、たかだか数百円の物を買うのに5分も10分も待たされるのはごめんだ。型番くらいはあらかじめ調べておきたいものだ。
 一部のメーカーは「サポートはコールセンターや修理受付窓口や店員が行うもの。これだけチャネルを設けていれば文句ないだろう」と思っているのだろうが、それなら新製品販売もコールセンター、窓口、店員がやればいい。

新製品の紹介をWebに出すのは今すぐ止めた方がいい

製品販売をWebでやるなら、サポートもWebでやってほしい。トップページから、消耗品検索ページまで最大3クリック、具体的情報入手まで最大5クリックでお願いしたい*6。要求しすぎだろうか。

*1:例: http://www.google.co.jp/search?hl=ja&inlang=ja&q=FZ-M21HF&btnG=Google+%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=

*2:たいてい「取り寄せ」と書いてあって、実際に購入に踏み切ったら「2週間かかります」か「在庫切れです」と言われるに決まっている

*3:例: http://www.google.co.jp/search?hl=ja&inlang=ja&q=FZ-M21HF+site%3Awww.sharp.co.jp&btnG=Google+%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=

*4:東京・大阪の大規模店は別

*5:それを売りにしている家電専門店もあるそうだが

*6:現状、どこのメーカーでも、修理窓口へのリンクにたどり着くのは最大でも2クリック程度でできている。修理窓口に電話した後、オペレーターが出るまで待たされたりすることを考えたら、最大5クリックくらいの手間はかけても仕方がないだろう。ただ理想を言えばもう少し少ない方がいいとは思う