最高裁判所裁判官国民審査

 要は、公金をはたいて個人対象不人気投票をやっているわけです。こんな制度は日本唯一です。
 どんなに悪徳な政治家がいたとしても、犯罪が立証されなければ、せいぜいマスコミや暴漢や野次に攻撃されるくらいです。内閣不支持率の世論調査も、雑誌の「抱かれたくない男ランキング」も、民間が勝手にやっているだけです。だって、ところが、裁判官のみなさんはまじめに仕事をしたつもりでも、国主催で行われる個人攻撃に耐えなければなりません。結果は国が発表して全国に周知されます。
 「7〜8%しか不支持がない」とも言いますが、裏を返すと、この世の中で数百万単位の人が「お前なんか仕事をやめちまえ」と言っているわけです。
 あるサイトでは、なんとその厳しい通告が、かけの対象になっています。わたしは「あなたは全国民からどれくらい嫌われているでしょうか」なんて突きつけられたら平穏に暮らせません。
 ただ、唯一救いなのは、判決への不満ではなく、裁判方針への不満でもなく、人格や経歴への不満でもなく、司法制度の運営に反発があるはずもなく、×を書いた動機の首位が「とりあえず」であることが間違いないと思われることです。

そう思わないとやっていらないでしょう。

民主主義は残酷なものです。