コワーキングスペースを借りる

通勤時間がもったいないけれど、自宅で仕事ができない人はどこに行くべきだろうか。

前提

  • 会社から在宅勤務が認められた、もしくはフリーランスになった
  • 会社が遠いなど、在宅勤務をしたい動機がある
  • 仕事はテレワークでできる
  • 孤独にならないか、孤独が苦にならない
  • 顧客の情報を扱っているので、ある程度情報保護は必要

家に電波が入らない、家族がわずらわしい、近所がうるさい、運動不足になる。在宅勤務に問題を抱えている人がいる。
そういう人は家から出てみるのもいいのではないかと思う。

図書館、喫茶店、ショッピングセンターのフードコートでも仕事をできるかもしれない。
しかし、周りの目が気になる。
そして、トイレに行くときに書類やパソコンをそのままにして席を立つことができない。
電源がほしい。
いつまでいても怪しまれない方がいい。

すると、
コワーキングスペースが選択肢に入ってくる。

予算

オープンスペースだと月1万円台から。
固定席や個室も予算があれば可能。遠距離通勤している人は、1日往復2時間節約できるのであれば数万払っても問題ないのではないかと思う。

安さだけで選ばない方がよい。安い施設は環境がそれなりだったり、あとは周りの人もそれなりである。
高級店が必ずしもすばらしい人だらけということもないけれど、ビジターも出入り可能な施設は喫茶店と変わらない。誰がいるかわからない。

コワーキングスペースと賃貸部屋の違い

コワーキングスペースの個室4万円と、自宅周辺の極小ぼろアパート4万円を比べてみる。どちらも共益費、管理費込みとする。
ただ、ぼろアパートであっても、水道代電気代は別途かかる。

広さ

実は4万円だとぼろアパートの方が広い。仕事場なのでテレビやベッドを置く必要がないが、住居として使う場所だから寝っ転がるスペースは十分にある。
ところが、コワーキングスペースで固定席や個室をレンタルすると、独房かのような狭い部屋になってしまう。窓もないかもしれない。デイトレーダーがPCのモニターを6台並べることはできない。そもそも、デイトレーダーは朝や深夜に取引があるので自宅に部屋を作るのだろう。
ただし、多くのコワーキングスペースは、個室専用のレンタルスペースと違いオープンスペースが併設されている。狭さが気になるなら息抜きにオープンスペースに出ることは可能である。

ドリンク、軽食

コワーキングスペースはたいてい水やコーヒーならただで飲める。軽食がついているかどうかは場所による。オフィス向け無人コンビニや、お菓子の無人販売
がある施設もあるが、コンビニに行く時間が省けると思うが、誘惑が多くて間食してしまうと思うかは個人の主観次第である。
水はミネラルウォーターであることが多く、お腹に合わない場合もある。オープンスペースがある場合は契約前に数日体験利用してみて、体に合うかどうか確かめるとよい。自宅から水や麦茶を持ち込む人もいるかもしれないが、毎日コンビニで水を買うか、無料なのかで、月々の出費や買い物の手間は大きく変わってくる。
住宅街の賃貸部屋の場合、コンビニが近いかどうかは場所による。トイレを使わなければならないから

掃除

共有スペース、トイレは清掃サービスが入る。トイレットペーパーの補充もしてくれる。個人スペースは自分で掃除をしてくださいという場合もある。
清掃サービスの頻度は場所による。いくつかの施設をスポット利用してみた経験では平日のみまの場合が多い。土日に誰かがこもったのだろうか、月曜の朝はゴミ箱やトイレが悲惨な状態になっていることがある。これも安さだけで選ばなければ多少は回避できるが、そもそも掃除頻度が低い施設もある。
賃貸部屋であれば自分で掃除をしなければならない。床はロボット掃除機でもよいが、事務作業であれば机の上も掃除したい。

ネットワーク

周りの人と回線が共用なので、場合によってはストレスに感じる場合がある。そして、万が一、回線品質が悪くても自分で交換することができない。個室だと電波の入りが悪いかもしれない。スマートフォンによく電話がかかってくる人は要注意である。逆に作業中に電話がかかってくるのは煩わしいと感じる人は、あえて地下の施設を利用するとよい。ただし「本当に仕事をしていたの?」と聞かれるリスクは受容する必要がある。
賃貸部屋であれば自分で回線を敷設して月額料金を払わなければならないが、今時はモバイルルーターでも十分な可能性も高い。工事不要なホームルーターを選ぶことも可能。楽天モバイルの端末であればテザリングが事実上無制限である。

周りの騒音

オープンスペースにいるときは、近くで電話を始める人や、キーボードをたたく人がいるとき、音をある程度我慢しなければならない。個室はそのリスクが少ない一方で、意外と部屋の外の音が聞こえる。コワーキングスペースの壁は区切ってあるだけであまり高い静音を期待することはできない。
賃貸部屋はその物件次第である。安い物件であれば周辺環境が悪いかもしれない。

空調

コワーキングスペースでは空調が整っているのが普通。ただ、会社にいるときと同じで好みの温度調節になっているかどうかは別問題。個室の場合、効きが悪いのはヒーターや扇風機を持ち込めば、ある程度補えるが、効きすぎるのは対処が困難である。
賃貸部屋の空調は設置も電気代も自己負担である。エアコンがついていないか、古い可能性がある。

キッチン

コワーキングスペースでは、水やお湯は手に入るのでカップラーメンは作れるが調理は無理。電子レンジがあるかどうかは施設による。
賃貸部屋の場合はキッチンをどう使おうと自由。

ごみ処理

コワーキングスペースでは通常、共用のごみ箱がある。清掃のときににごみを捨ててくれる。
賃貸部屋の場合、自治体のルールとアパートのルールに沿って自分で処理することになるが、住んでいない物件で、ゴミ出しの時間が朝に限定されている場合はつらい。家に持って帰ることになるだろうか。公園やコンビニのゴミ箱に捨てるのはやめよう。

私物管理

固定席や個室は持ち込みが可能。鍵がかからなければロッカーを借りられるようにはなっている。

コワーキングスペースの紹介というよりは、会社員にとってオフィスがどれだけありがたいものなのかを再確認する内容となった。零細企業では自分たちで掃除をするだろうが、行って仕事をするだけの人は意外とその有難みを理解していない。
これを在宅勤務のために自分で用意するのはかなり大変であり、5、6万であればリーズナブルだと言える。シェアエコノミー万歳。

とはいえ、通勤定期代のかわりにコワーキングスペース代を払ってくれる会社はあまりないと思うので、クリエイティブ職やハイエンドの人に限るのだろうか。