丁目は、地名の一部です

お題「披露する機会がないけど語りたい薀蓄(うんちく)教えてください。」
かしこまりました。

千代田区が、千代田区の地名の一覧を公開しています。
www.city.chiyoda.lg.jp

丸の内一丁目
まるのうち いっちょうめ
Marunouchi 1‑chome

国土交通省が交差点名標識の改悪を行っています。丸の内一丁目は、丸の内その1ではありませんので、Marunouchi 1は正しくありません。
「丸の内一丁目」という固有名詞です。
「一」に1という意味があるからといって、Marunouchi Oneと呼ばれても日本人にはわかりません。
これは千代田区にも言いたいですが、外国人にMarunouchi itchomeのitに0の次、2の手前である「1」という意味があることをわからせるよりは、日本人がMarunouchi Itchomeと呼んでいるものが丸の内一丁目のことだと理解いただく方がよいのではないでしょうか。
東京は「Eastern Capital」だと知らなくてもいいですよ。東京はTokyoでいいです。

四谷怪談でお馴染みの四谷。四谷三丁目に四谷三丁目駅がありますが、4谷と書かないのと同じように、さんちょうめは「三丁目」と書きます。
3丁目ではありません。
同じように六本木一丁目駅も、6本木1丁目駅ではありません。

企業名のように記号で表記されることが許されているものがあります。例えばKDDI株式会社です。同社はケイディーディーアイ株式会社でしたが、アルファベットが使用できるようになってすぐに改称しました。
日本語の地名は今でも文字で書きます。文字は記号の一部ですが、文字ではない記号は存在します。#や♪が文字ではなく、記号だということは誰もが知っているのではないでしょうか。外国語の文字や算用数字は、日本においては記号ではありますが日本語の文字ではありません。
だから、国の事務において数字を使うときには文字の一種である漢数字で書きます。
地番は、丁目のあとの、〇番地〇号、〇番〇号などの部分です。丁目までは地名です。数字が入っているからといって勝手に算用数字に変えてはいけません。

ただし、地方自治体においては文字を使うことが徹底されていないことがあるようです。つまり、住民票には算用数字で丁目が書かれることがあります。
住民票の住所は算用数字で、登記の住所は漢数字ということがありえます。

ちなみに、東京メトロ青山一丁目駅は、北青山一丁目と南青山一丁目の境界にある駅です。「青山一丁目」が地名でないのは有名な話です。