直通運転は本当に便利なのか

2022年12月は、来年のダイヤ改正内容が鉄道各社から次々と発表。
2023年に相鉄・東急直通線が開通する。各社から詳報が出ているが、東海道新幹線も、新横浜始発ののぞみを設定するという。
気になったのが東武は川越-新横浜が80分とあること。

東急の新横浜駅乗り入れに時間短縮効果はほとんどない。東横線の日吉から2駅で新横浜に着くが、今でも菊名JR横浜線に乗り換えれば1駅で着く。渋谷方面からの利用客は乗り換えがひとつ少なくなるが、検索してみると現在は90分以上かかる場合もあるし、タイミングがよければ80分未満の場合もある。

変わらないならいいのかもしれないが、直通運転を多方面に展開しようとしていることに問題がある。
電車は多頻度で来るけれど、行きたい方面の電車がすぐに来ない。次に来た電車が目的地に行かないなら乗り換えなければいけないし、目的地に行く電車に乗りたいなら待たなければならない。これならば乗り換えをなくすことによる最大メリットと思われがちな待ち時間の短縮はなく、あえて言えば階段の上り下りが減るだけである。エスカレーター、エレベーターがあれば問題ない人もいるだろう。

そして、ダイヤが乱れた時の影響が大きい。100km先の事故で、電車が遅れる。直通が伸びるほど、事故が発生する可能性がある場所の面積が増えるので事故が発生しやすくなる。相鉄・東急直通で、埼玉の郊外から神奈川の西部まで数珠つなぎにしているが、予約した新幹線に間に合うにはすべての路線で事故がないことを祈らなければならない。一度乱れたらネットワークが複雑すぎてなかなか回復しないし、途中で運転が打ち切られて*1乗り換えを強いられるかもしれないからだ。

せめて座れるならいいけれどね。
まだ詳細は発表されていないが、新横浜始発の便も設定されるようである。始発で座って都心に迎えるなら直通運転のメリットがようやく出てくる。
ただ、そうすると、相鉄に直通しない。
さあ、どんなダイヤになるだろうか。

*1:交代する乗務員がいなかったり、ダイヤを立て直すための折り返しが発生したりする