5月1日。NHKでは「チコちゃんに叱られる!」放映を休止して夜7時のニュースを延長。岡村隆史さんの失言との関連は不明だが、全国各地の放送局をリレーしていた。
どの地方も申し合わせたようにワンパターン。
- 人が消えた街の様子
- 街の人の声
- 飲食店の経営者の話
世の中は道路と公園と飲食店でできているのだろうか。外に出ている人が少ないということになっているし、自粛に背いている人という扱いになってしまう可能性があるので今までのテレビ取材で声を集めるのは難しいのだろうなと思うものの、もう少し工夫できないだろうか。
最初は人口が多く、未だに新規感染者が出ている地方から。飲食店は大変だが、少しがんばれば自粛を終わらせられる。だから仕方がない、と街の人に言わせる。もしくはそういう発言をした人だけを切り取る。専門家が長期戦だと言い始めているのに、5月いっぱいがんばればいいんだという声を流し続けるのがNHKの主張と理解した。
どの地方の放送局に振っても同じ内容なので、だんだん視聴率は下がっていったのではないか。
そして、感染者が少ない地方の番になると、少数意見として経済を回すことも必要なのではという人の声も取り上げる。感染者が東京から来てほしくないので仕方がないという声も混ぜながら。
公共放送として両論を伝えましたという体裁はとっているが、「みんな、言わなくてもわかっているよね、自助努力で耐えろ耐えろ耐えろー」というメッセージになっているように見えてしまう。どの地方でも「夜の営業ができないので、お弁当を始めました。」という声を取り上げる。持続可能性が感じられないが、みんなががんばっていると伝えたことに満足しているテレビの思いが伝わってくる。
さて、他のニュースも似たような感じ。自粛自警団に密告するような内容も飽きてきた。
- 指示に従わないパチンコ店とパチンコ依存症の客
- 隠れて営業する夜のお店
- 公立公園駐車場の閉鎖によって締め出された行楽客の車
- キャリーバッグを持って移動する人
- 6万人の予約がある沖縄発着の航空路線
- 首都高速のルーレット族
取材するところはたくさんあるのではないか。医療現場の邪魔をするのはあまりおすすめしないが、外国人労働者が来ない工場や農業はどうなっているのか。コールセンターはどうなっているのか。浮浪者はどこに行ったのか。コンビニ、宅配便、食事の配達、テレワークグッズ売り場、DV対応窓口。
道路・公園・飲食店の3点セットしか見せず、世の中が大きく変わったということを伝えてくれていない。
こんなものだけを見ていたら、確実に世間知らずになる。