10連休の余波

連休明けの経済指標はどうなるのでしょうね。

為替はどこまでスプレッドが開くだろうか。そして、為替が動いても現物株は何もできない恐ろしさ。週明けには大量の注文が入るでしょうか。

 

さて、システムトラブルを懸念する記事が興味深い。

https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00685/040800004/?n_cid=nbpnxt_mled_chm

10連休は年末年始休暇とそれほど変わらない影響度である。ただし、コンピューターシステムを正しく設計していればの話。

例えば一週間に1度は平日がある前提や、特定の曜日が2回連続で祝日にならない前提を勝手においてしまっていると、まとめて行っている処理の間隔が開いてしまい、特定の仕掛データが想定外の溜まり方をするかもしれない。

カレンダーの曜日配列を踏まえると、月初の平日は遅くても6日までに来るというのがこれまで不変の真理だった*1。ところが令和元年5月は初めて7日になる。前月の取引データを月初第一営業日までに受け取って、6日までに処理するスケジュールをコンピューターに設定していたとしたら今年は修正が必要になる。

企業の業務をこなすシステムを、今回のような気まぐれな休日設定に耐えるようにするためには。平日休日の区別なく稼働できるようにし、1か月くらいは平気で溜め込めるように設計するのが理想である。塾の夏期講習に毎日通い、学校の夏休みの宿題は最終日にまとめてできる子どものようだ。人間と異なるのは今では一時的に処理能力や保管容量を高めることはやりやすくなっているので、きちんと設計することに予算がつくかどうかだ。

さて、コンピューター同士は複雑に連携している。あるところで溜まると、その部分は耐えても、溜まったものが一気に吐き出されたときにそのデータを受け取る相手が耐えきれないかもしれない。身体の血管が動脈硬化を起こしたり、血栓ができたりするときの状態と似ている。

長い休日は存在するし、休日にせき止められた処理をまとめてやることは重要インフラでは想定されている。ただし、相手が倒れたり異常な吐き出し方をしたときに対応できそうなのかがポイントである。これは令和対応と同じ。

大企業では長いと連休明けの最初の週末くらい、あるいは5月末まで気が抜けない運用が続く。

長期停止によっていつも当たり前のように受け取れるデータが来ない状況は大規模災害時と似ているとも言える。コンピューター業界とコンピューターの利用企業は全国規模で災害対策試験を行うようなものだ。

令和最初の契約を狙うなら、連休前にITの処理をすませ、契約書を印刷して捺印するだけにしておこう。経済的に重要な取引を連休明け直後に予定するのはやめた方がいいと思う。

*1:1月3日が金曜日で三が日の非営業日だと、週明け6日が最初の営業日