小銭排斥

JRの場合

先日Suica払い戻しについて書いたが、ICカード決済は1円単位なのにみどりの窓口には1円玉の用意がない。
10円未満の端数は10円に繰り上げられる。特に新しい運用というわけでなく、こども運賃は昔から鉄道会社側が有利になる繰り上げで計算されてきた。払い戻しの場合は払戻額が10円に繰り上がる。220円の割引手数料を同時に払っているのでJRがお金を払っているわけではないが、鉄道会社側が不利になる形だ。
大企業の店頭では小銭は釣り銭機から出てくるので、1円や5円に対応する釣り銭機はコストが高くて1円単位の差に来客が敏感な小売店にしか置かれない。端数を繰り上げてでも窓口は小額硬貨を扱いたくないのである。

マクドナルドの場合

同じように1円玉の取扱いがないのがファストフード店である。ハンバーガーショップの商品は、税込みで10円刻みの価格設定になっている。混雑時におつりを受け取った客が小銭をばらまいたりするとそれだけ販売効率が悪くなるので、早く買いたい客にとっても店にとっても10円刻みはありがたいのである。
ところがマクドナルドは楽天ポイントカードとdポイントカードの取扱いを開始してしまった。これらのポイントは1円刻みなので客がポイントを利用すると1円、5円を取り扱わなければならなくなる。レジには入っていなくて店の奥から小銭を取ってくるなどの運用が発生して店員にとっては面倒なようである。
こういうときは本来差額を電子マネーで払えれば問題ないが、400円の品で265ポイント使うとき、135円は現金で払わなければならない。マクドナルドのレジシステムは継ぎ足し開発を行っているようで、135円分を楽天Edyで支払うことはできないようだ。
楽天経済圏で完結するのが美しいのだが、楽天ポイントカード楽天Edyは同居できないという欠点があるようだ。WAONnanacoができるのと同様にようやく楽天のポイントでEdyチャージができるようにはなったが、本当はおサイフケータイをかざすだけで楽天ポイントEdy決済もワンストップで終わるべきである。EdyPontaの組み合わせはローソンではうまくできている。

電子マネー、ポイントの価値

電子マネーやポイントが1円単位で上手に使い切れるということを重視しているように見える。携帯電話料金やEdyポイントでちょこっとずつ発生しているポイント。クレジットカードのポイントは2,000、3,000くらい貯めないと商品に交換してもらえなかったが、電子マネーへのチャージによって1円単位で使い切れるようになった。
しかし、使い切れるポイントカードはありふれているので、使い切れる上に小銭が出ない工夫で差別化してほしい。おつり相当額を投資に回してくれるサービスが出てきたが、おつり相当額は預かってくれるサービスをやってほしいものである。
1,800円買うと180ポイントが付くというのはどこでもあるので、1,800円支払う時に2,000円預かってくれて、「200+180」ポイントが付く。サービスを利用することでポイントにプレミアをつけてもいいが、そこは本質ではない。おつりは出ない、というのがよい。特に居酒屋。4人で行って870円のおつりが出て、酔っ払いにじゃらじゃら小銭を渡されても困る。さらには4で割れない。870円処理しないと解散できない。面倒だから多めにもらっちゃうと不公平だと思っている人がいたりする。
財務省はなかなか小銭を廃止してくれないので、民間が小銭排斥サービスを広めてほしい。