住宅ローンの借り換え 書類準備編

一般的な会社つとめの人が自分でする最も大きな買い物は住宅と言われているが、最も大変な買い物は住宅ローンの借り換えである。
以前は銀行や、(大企業であれば)社内融資の窓口に行くと相談に乗ってもらえたが、今は支払い額の節約を狙うとWebサイトの説明を読んで自分で準備することとなる。家を買うときには不動産業者や金融機関の担当者が書類を準備してくれるし、書き方も教えてくれる。借り換えの際も同じなのだろうが、借り換え先をインターネットで調べて申し込むと、書類が自宅に郵送される。見本を見て自分で書類を準備しなければならない。
不動産業者を通じて物件を購入する際には法務局に自ら行って登記内容を確認することは必須ではない。業者が書類を手配してくれることが少なくない。しかし借り換えの際は自分で法務局に行って全部事項証明書(登記簿謄本)を請求する必要がある。また、市区町村役場には2回程度行くことになる。申込時には住民票、契約時には印鑑登録証が必要となるが、審査や書類に時間がかかるので申込前に印鑑登録証を入手すると契約時には「1箇月以内」の要件を満たさない。そのため1回では済まない可能性が高くなる。
今や、個人輸入や確定申告よりも借り換えの方がハードルが高そうである。
ネットで調べると、借り換え先の選択要素は金利だけではない、と書いてある。手数料、保険料、その他優遇サービスのことを指しているようだが、書類準備のやりやすさについて解説したものはほとんどない。たぶん、こういうことなのだろう。

  • 職員も自社で借り換えをしたことがないか、それが当たり前と思っているに違いない
  • 複数申し込む人は少ない

いくつか情報を収集し、3社を比較してみたい。
ただし、ここで触れたいのは各社ばらばらであるという事実である。アフィリエイトをやっているわけではないので、●●がおすすめということを書く必要はない。A社がいいとか、B社が悪いという話はその人だけの事情かもしれないし、改善されているかもしれないのでここでは匿名にする。また、書類準備の上で重要な要素として郵送書類が早く届くかどうか、というのもあるが、繁閑時期の違いや土日をはさんだりなど、個別の事情があるのでここではふれない。ただ、これも各社ばらばらだということである。さらに言うと、公式サイトやパンフレットに書かれている期間の目安はあまり参考にならない。

比較対象

X社 : 歴史ある銀行だが、メガバンクより金利が低い 銀行ローンを申込
Y社 : ネット銀行 銀行ローンを申込
Z社 : ネット銀行だがフラット35を扱う フラット35を申込

いずれも「金利だけではない住宅ローンランキング」の類で上位の金融機関である。以下、体験者の話。

前提

  • Webサイトからの申し込みについてはコメント対象としない (特に気になる差異ではない)
  • 住宅ローン以外の借入関係はコメント対象としない
  • 口座開設書類はコメント対象としない

X社

  • ○審査時に新たに申込書を作成、送付する必要がない。
  • ○書類の種類ごとに送付票があり、見本イメージも書かれているのでわかりやすい。
  • ○審査時実印不要。
  • 系列ローンカードで優遇があるようだが、他社の審査を受けている段階で消費者金融の借入枠を作ることには抵抗感がある
  • ×生命保険の説明資料の解像度が粗くてやや読みにくい。
  • ×書類の種類も少なめだが、契約時に改めて求められる。ただし、審査段階では契約時必要書類の提示なし。

Y社

  • ○全部事項証明書(登記簿謄本)の提出が不要。
  • ○チェックシート(必要書類の一覧表)がわかりやすい。他社は連帯保証人と担保提供者の違いがあいまいに記載されている。
  • チェックシートは返送書類ではない
  • ×借入申込書に追加記入する箇所が多い。できればWebから申し込む際の記入項目にしておいてほしい。
  • ×通常、添付書類はコピーでよいとされるが、この金融機関では住民税課税証明書2年分の原本が必要。会社から受け取った紙をそのまま提出すると他社の審査時に使用できない*1。役所で住民税課税決定通知書を入手するしかない。
  • ×生命保険の申込書は他社と同じ体裁であるが、この金融機関の引受生命保険会社の場合、医師の診察に加えて、健康診断の結果を告知する必要がある。複数の検査項目で要経過観察(以上)となっている人は少なくないと思われるが、用紙に書ききれないのではないだろうか。
  • ×審査段階で契約書(コピー)、重要事項説明書(コピー)の提出を求められる。コピーの枚数が他社に比べて多い。
  • ×通帳も過去1年分の明細を要求する。1箇月か3箇月の会社もある。

Z社

  • ○申込書は銀行で一般にあるような体裁。ただし、Webで入力した情報はほとんど書かれていて、記入箇所は少ない。
  • 源泉徴収票は直近1年分に減らすなど、証拠書類は少なめとなっている。
  • チェックシートは返送書類である
  • 本審査後の来店が不要なためか、書類が多い。
    • ×書類の数が10を超える。機構指定の用紙は仕方がないが、銀行作成の書類もいくつかある。一般的に、電子メールを書くときは1用件1メールと言われるが、申込書は必ずしも1用件1葉にしなくてもいいのではないか。
    • フラット35からフラット35への借り換えの場合、不動産関連書類や返済状況確認書類を省略できる。
  • 住宅ローンの商品説明と書類作成方法説明がそれぞれ冊子になっていて、最も分厚い。
  • 系列クレジットカードで優遇があるようだが、他社の審査を受けている段階でカードローンの借入枠を作ることには抵抗感がある
    • ×商品説明は借り換えやつなぎローンなどが混ぜて書かれているが、申込者は申込時に借り換えを選択しているのだから借り換え専用の冊子を作るべきではないか。
    • ×書類作成方法の冊子は最新ではなく、訂正用紙がはさまっている。必要書類を減らしたことは評価するが、ガイドの冊子は刷り直すべきではなかろうか。
    • ×冊子の訂正内容をすべて書き換えても、ガイドに書かれている必要書類名と、実際同封されていた書類の名前とで違う箇所が残っている。しかもたくさんある。申込者が丁寧に確認する必要がある。
  • ×書類の体裁がばらばら。フラット35なので機構指定の用紙は仕方がないが、銀行作成の書類は同じ様式に揃えたらどうか
  • ×控えを自分で取るよう指定されている用紙がある。
  • ×銀行控えと書かれた用紙があったので本紙はどこにあるのか探したがない。どうやら銀行保管の書類のことを「銀行控え」と呼んでいるようだ。非常に紛らわしい。
  • ×フラット35なので本審査の段階からやたらと実印を要求する。

X社が最も洗練されている印象である。Z社は客に対して書類の充足や押印の鮮明さを求めているのだから、自分たちが作る書類も見直したらどうだろうか。

*1:後で原本を求められたときに困るから