詳しくはWebにない

テレビ・コマーシャルや広告などで「詳しくはWebで」「詳しくはWebで検索」というのが流行になっているが、そういうものに限って詳しく書いてあるWebページにたどり着けたことがない。あっさりとしか書いていないか、リンクをたどっても期待する情報に到達しないかのどちらかで、いずれにしても詳しくはなく、パソコンやスマートフォンを起動し、検索した甲斐があったと思うことはまれである。「詳しくはWebで」というのは

お前に詳しく説明するつもりはない

の代用語になりつつある。遠回しな言い回しだと思う。

マニュアルまで「詳しくはWebへ」

以下はパソコンについて書く。買ったパソコンの電子マニュアルを読んでいた。たくさんの情報を説明書として配るとページが多くなり、制作費が高くなってしまう。そこで、メーカーのパソコンのハードディスクに入れて出荷したものが電子マニュアルである。電子化によって商品梱包が小さくなり、ごみが減ったのは喜ばしいことだが、マニュアルの内容自体が簡素化しては困る。
そこに以下のような文言を発見(一部編集済み)。

対応している規格については、ホームページ(http://xxxxxx.co.jp/)でご確認ください。

URLが添付されていたが、商品ブランドのトップページである。読者が望んだ情報にたどり着けるはずがない。
紙の説明書は始めから順に読むことが多いので、内容を簡素化することが理想とされたことがあるが、電子マニュアルであれば詳しく知りたい人だけに詳細情報や補足情報を提供することができるはずだから、手抜きしないで情報にたどり着けるようにするべきだ。それを、Webサイトに誘導してさらに検索させることを強いるとは何事だ。それとも検索エンジンが優秀ならまだしも、念のために検索したら

一致するページは見つかりませんでした。

という回答だった。こんなことなら使えないマニュアルは全廃してコールセンターを通話料無料で充実するべきだ。
顧客や消費者向けのアナウンスから、「詳しくはWebで」の類の記述は排除すべき時期に来ていると認識すべきだ。まずは自社商品関連で「ホームページ*1」「ご確認ください」を全文検索せよ。

カスタムメイドに実力差あり

パソコンは部品の進化が激しく、どのメーカーも最新の部品を取り入れることを目指している。さらには購入者に自由に部品を選ばせるようにしているメーカーもある。
買うときにはどのメーカーも同じように見えるが、実は買ってからが違う。
昔からカスタムオーダーに取り組んでいるメーカーの場合、購入者がどのような部品を選んだのかの明細が紙に印刷されて入っている。CPUやメモリー、ドライブがついているかいないのか、などである。Webサイトで確認できるようにしているメーカーもある。ショップブランドでもまじめにやっているところはある。
ところが、購入者への情報提供ができないメーカーは、マニュアルに以下のように書く。

仕様は、ホームページでご確認ください。

本当にWebサイトで確認させるつもりなら、せめて検索方法までそこに載せてほしい。しかし、確認する方法はないのだから載せようがないはずだ。
こういうメーカーは後に購入者に迷惑をかけるから、カスタムメイドはあきらめるべきだと思う。あるいはすべての顧客にスキルレベルが高い相談員をつけてとことんサポートしていくなら別だが、価格競争力を維持できないかもしれない。
これからパソコンを購入したい人は、同じブランドの製品を持っている人か、Webからマニュアルを入手してホームページで確認の類を検索*2。3つ以上はアウト。

*1:ホームページという言葉はなかなかしぶとく残りますね

*2:メーカーによって言い回しは異なる