近いうちに

「近いうちに」について「それ以上でもそれ以下でもない」と説明しているがどういう意味だろうか。首相本人だけが言っているならその場の言い逃れとして聞き流してもいいが、民主党の幹部まで「首相がおっしゃる通り」と復唱してみせる。解散権は首相にあるのだから言えないというのが民主党の公式見解である。
実体のないものを合意し、近いうちそのものだと言い続ける。「前向きに検討する」すなわち「後ろ向きとは言いたくないがとかく推進するものではない」と同じ用法のようだ。「言いたくないが」は気持ちだからそこに何も約束がない。こういうとき、野党の牛歩戦術といっしょで、本音はやりたくないという意味である。首相はぶれていない。やりたくないのである。
日本語の慣用はともかく、数学的定義でいえば、それ以上でもそれ以下でもない、という値は存在しない。後になって「そんな時期は存在しないから任期満了まで解散しない」と開き直るに決まっている。

「近いうちに」は、soon
「近いうち、それ以上でもそれ以下でもない」はnever
「近いうち、ただし解散権は総理にある」もnever

である。そして今の公式見解はneverである。言葉を付け足して文意をすり替えるのは霞が関文学だけにしてもらいたい。自民党公明党はsoonで合意したのかもしれないが、民主党はそのあとで解釈変更をしたのである。