佐藤雄平知事

被災地を離れた場所でテレビを見ていると、福島県の顔と言えば佐藤知事だ。東京電力に怒り、補償を求めている映像が目立つ。そして国に対しても要望ばかり。マスコミとしては怒りのシーンがおもしろいということになっているようだ。
福島県としても何かやっているのだろうけれど、あまり報じられない。これでは福島県にとっていいことではない。
佐藤さん本人、あるいは、もし市民団体の代表であれば全く問題ない。しかし公的には現職の知事である。原発を容認してきた歴代知事職を受け継いでいる立場であるし、プルサーマルを反対した前知事に代わって容認した本人でもある。原発対応もあるのでタイミングが難しいが、東電幹部が辞任するタイミングで引責辞任しなければならない立場である。たとえ福島県庁として想定外だったとしてもだまされたのだとしても、結果責任を負うのが行政の役目である。
被害者対加害者の立場で東京電力と向かい合うのは平時の感覚である。今は有事であり、知事自身も復興よりも原発収束が優先とおっしゃっているのだから、福島県としてもアイデアを出して東京電力と対等に話し合い、新たなアイデアを出していってほしい。
金出せ謝れでは何も始まらない。これ以上今の対応を続けたら、自分に責任が降りかかるのをおそれるゆえの保身行為とみなさざるをえない。