間引き運転

23区が計画停電に含まれないのは、鉄道への供給を優先したからだと思う。病院よりも交通の混乱回避を優先しているのである。ただし、一部の鉄道は例外扱いである。東急線は早い段階から通常に近い運転を再開したのに対して、東武線と半蔵門線の直通運転や、日暮里・舎人ライナーは優先度が低いと判定されたようである。
信号や踏切が計画停電する場合は鉄道会社にとってはどうしようもないようだが、間引き運転になっている路線は、鉄道会社の本音がのぞける。
在宅勤務が可能な企業はごくわずか。多くの通勤・通学客は減便されてもがんばって電車に乗っている。それほど潜在的な需要が減っていないと見るべきだろう。それでも減便をしなければならない。どこを削るのかが問題になっている。
地元とのしがらみ、直通運転先とのしがらみ、もしくは他社との競争でやむなく走らせている便は、停電を理由に堂々と減便ができる。
昼間運休というのは、通勤需要はあるが昼間止めても影響がないと鉄道会社が思っている証拠である。都営三田線では2割削減された時刻表を駅で見ることができるが、削減された部分は輸送力過剰だと考えているのかもしれない。副都心線の直通はダイヤを乱す厄介者だったし、要町や千川の便数を維持する必要を感じていない*1。京王は調布から先は空気を運んでいると思っているのかもしれない。大井町線溝の口延伸は複々線化してまでした悲願だったのかなと思いきや、やめてしまった。京成スカイライナーはやめないが、シティーライナーは正直苦戦していたのだろう。そして成田エクスプレスはもっと苦戦していたのだろう。京成本線の成田空港発着の特急が混雑しているのではないか・・・・・・
朝ラッシュを通常運転できる路線は優遇されている。優遇しないと通勤・通学客があふれてパニックになるからだが、いつもより混雑が緩和されているように思える。優遇されている路線は混んでいるかもしれないが確実に電車が来るので、今後も人気が保たれる。一方、相模線、江ノ島線、東京北部方面や常磐線方面は街の価値に影響してしまう。

*1:震災前のダイヤ改正で地元の反対にあって通過列車を減らしていたが、本音では停車不要と思っていたかもしれない。震災後、西武有楽町線の直通をやめても、和光市までは出せばい小竹向原での混乱は少ないと思うが、やめてしまっている