廃県置州

国-都道府県-市町村という行政の3層構造は、原則として2層にしたらよい。
県道の管理が分断されるなど、反対する者がいるだろうが、ほかにも清掃工場建設や、大規模公共施設の運営・管理など、複数の市町村でまたがった方が効率がよい業務は広域連合でやればよい。県が独自に財源を持つのではなく、各自治体が基金を作ったりジョイントベンチャーを設立したりすればよい。
県庁は、国の地方支分局と合併して道(もしくは州、以下略)となる。県議会は合併して道州議会に置き換えるか、議会を廃止して市町村長を構成員とする立法機関を設立する。道知事は住民の直接選挙とする。
道は、国に関する事務の地方執行分相当を地方交付金として残し、広域連合に関する事務を行う地方政府として独立する。ただし、道としての徴税機能は市町村に全面委託して一元化し、かつ市町村から道への出資は最低限とする。当面は各県の条例を一本化するための作業が必要になり、事務量が減らないかもしれない。それでも十分意義がある。国や県が市町村に事業を押しつけるのではなく、各市町村が不要と判断した事業を拒否することができるようになり、自治体が主導する地方自治が実現するのだ。ただし、道全体として推進したいことがあれば地方政府は地方条例を制定して市町村への影響力を残せるようにする。
困るのは国の出先機関と県知事と県議会だ。たぶん抵抗が大きくてできないだろうな。連邦制にし、国の徴税機能を廃止して道が国を支えるという考え方もある。どちらがよいか、個人的には結論が出ていない。
「東海州」よりも「東海道」の方が音の響きはいいが、国道1号線のようにも聞こえる。「九州」だったら、州がいいなあ。東北道とか北陸道って、なんだか高速道路みたいだなあ。東北州、北陸州なのだろうか。

県の合併

道州制への移行をすぐさま行うのはなかなか難しいかもしれない。そこで県の合併はできないだろうか。
政令指定都市を廃止して大都市連合へと移行しようとする大阪都構想も悪くない。

ただし、地名として県は残る

藩の時代から、日本は県の単位がひとつの国だった。現在の日本人には県単位で地元を意識する機会が多い。だから、無理矢理「県」という概念がなかったことにする必要はない。郡と同じで、地名として残しておくということでよいのではないか。
例えば、神奈川県の県道は、今後も「県道」とは呼ぶけれど、それを管理する「県」という団体は存在しない。現在の神奈川県の自治体が加入する神奈川県広域連合が管理することになる。広域連合は自治体の負担割合を決め、市町村からお金をいただかなければ事業を継続することができなくなる。従来の県で管理するのが面倒だったら、民間に払い下げたり、国に管理を委託する広域連合(もしくは道)が発生するかもしれない。北海道に行くと「県道」ではなく「道道」というのがあるが、その名称はそのまま。そして、北海道以外でも道道や州道が誕生する可能性がある。
地図上の境界よりも、人的経済的交流を重視し、県をまたいで連合を組んだりすることもあってよいだろう。