パ・リーグのクライマックス・シリーズがおもしろい。
プレーそのものではなく、野村監督の解説がなによりよい。他の解説者とは全然違う。テレビ朝日は解説者野村さんの魅力を引き出すのがうまい。
普通の解説者は試合の流れの話をしたがる。しかし「次はこうなります」という話を聞きながら試合を見たっておもしろいはずがないではないか。映画の上映中に水野晴郎が隣でずっとささやいているようなものである。あるいは調子のよしあしを感覚的に語る。抽象的に語られてもあまり意味がわからない。
野村さんの解説はひとりひとりの選手の特性をつかんで、ピッチャーやバッターがどう攻めていけばいいのかを伝える。最近のデータが頭に入っていて、その裏付けがあるから説得力がある。アナウンサーから話を振られても、単に話を合わせるのではなく、時には他に見るべきところがあればそこを解説してくれる。
普段、スポーツ・ニュースを見ていると、試合後にダッグアウトでぼやいている姿しか見られないのが残念だ。この人の頭の中を分析する番組を作ってくれないだろうか。
古田監督が引退したので、ID野球を解説してくれるとうれしい。
