全競技中継してほしかった

 オリンピックを見て、終わったなと思った。
 中止とか感染爆発とかの話ではない。
 地元東京で開催されるのだから、全33競技を生中継してくれるのかと思った。無観客にするくらいだから、せめて「時差がなくても、連休中は昼も夜もぶっ続けで家でテレビを見ろ。昼は中継、夜は録画とダイジェストだ!」とするのかと思っていた。団体戦については日本戦ばかりではなく、外国同士の戦いも放映してくれるのかと思っていた。
 ところが。
 開催まで1週間を切ったので番組表を見たところ、まず4K8KはNHKと民放1局しかやらない。また、BSとBS4Kは事実上の同一コンテンツである。TVer

全競技を日本語実況・解説付きでライブ配信する

と書いてあったからすごい!と思ったが、よく読んだら、

民放で放映する全競技を日本語実況・解説付きでライブ配信する

だった。全競技じゃないのか。
 とても面白い番組をやっているのでオリンピックに切り替えられないということならまだわかる。ところが、ゴールデンタイムにXXXXとかXXXXとかをやることになっている。オリンピックは放送権料が高いというのはわかるけれど、XXXXとかXXXXとかをやる方が収支がよいということなのだろうか。誰がこれを見るのだろうか。
 地上波でさえ、時々オリンピックをやるけれど、半ば平常運転モードである。こんなことに電波を使うなら返上してほしい。5Gの携帯電話回線に帯域を明け渡してほしい。オリンピックがあるのに、こんな感じなのであれば、テレビ局はこれ以上魅力ある番組を作ることは未来永劫不可能だ。
 スポンサーが集まらなかったのだろうか。民放はオリンピックを流すと掌返しと言われたり、コロナを恐れる人から攻撃されたりすることを恐れているのだろうか。どちらにしろ、これ以上ないビックコンテンツを手にしながら、営業がさっぱりできなかったということか。
 マスコミは世論調査で「オリンピックを応援する気にならない」という選択肢を入れて「ほーら、オリンピックなんか歓迎できないよね」という世論を作り出すことに成功した。
 どう考えても家でテレビ漬けにするのが最大の感染拡大防止策だと思うが、応援する気にならないと思わせてしまったら、尾身さんが自粛を呼びかけてもみんな外にでかけてしまうだろう。
 何のために無観客にしたのかさっぱりわからない。
 マスコミの皆さん、感染拡大に貢献できてよかったですね。マスコミの唯一の延命策は世の中に恐怖をばらまくこと。自社の営業を犠牲にしてでも恐怖を植え付けることがテレビに振り向かせることだと信じているようだ。

木を見て森を見られない自粛派

 新型コロナウイルス関連政策において、非常事態宣言が効かないという空気が生まれつつある中、2021年7月16日に尾身会長が記者会見を開催。
 人流抑制が効果的であるということを必死になって主張している。
 オリンピック連休においてできるだけ人を引きこもりにさせなければならないという仮説を目的としてとらえ、これを何としてでも実現しなければならないという使命感に満ち溢れている姿が滑稽である。

リスク認識が正しいのか

 自粛派陣営にとっては、第1回緊急事態宣言によって都会の街角から人が消えたことが成功体験になっていて、その再現を夢見ている。
 緊急事態宣言には効果を疑問視する声があるが、以下の2つの指摘に対して有効な反論が見当たらない。

  • 全国一律の要請になっていない最近の宣言下においては、宣言の対象県と経済圏を共有している隣県において感染推移に有意差が見られない。
  • いずれの宣言も宣言発出前後にPCR陽性者数のピークを迎えているので、ウイルス暴露のピークは宣言発出前だった。下げトレンドに転じたきっかけは宣言ではない。

 これに対して、自粛派は直接の反論は避けながらも2つの説明を試みている。

  • 海を隔てた沖縄の陽性者数の推移が、本州の推移とリンクしている。これは県外移動による感染拡大によるものだ。
  • 飲食による感染リスクは高いことが統計によって明らかになっている。

 沖縄については、東京などと実行再生産数が全然リンクしていない。陽性者数の推移と比べても意味はないのではないか。
 厄介なのは、感染リスクの話。飲んで騒げばリスクが高いのは誰もが理解していると思う。全く人と会わず、かつ人が触ったものに触れないことが最も安全であることは疑いようがないだろう。ここでは感染対策をすれば大丈夫とか、静かに飲めばいいというようなことは言わない。
 それでも、飲食への規制だけでは意味がないと思う。では、まずこの飲食リスクについて取り上げよう。
 行政当局または専門家たちが敵視していそうな、このようなペルソナを設定する。

  • 風邪(新型コロナウイルス含む)の流行期
  • 健康な若者
  • 中小企業で内勤する事務職
  • 家族と同居
  • 勤め帰りに酔って騒ぐ


 尾身会長の出した資料によれば、飲んで騒ぐと5倍リスクが高いという。それを図1のようにイメージするから誤った意思決定になってしまう。最近の若者という想定であれば一日24時間のうちのたかが2~3時間の話である。しかし、その数倍の時間、狭い部屋で飲み物を飲みながら仕事をしている時間の方が長い。感染リスクを語るなら時間の長さは重要であろう。道ですれ違うだけよりも、風邪を引いた人の隣で長く仕事をしている方が移されやすいと思う。わたしは図2のように理解している。マスクは完璧につければ効果があるかもしれないが、マスクをつけた人が感染している事実、マスクを完璧に長時間つけることは難しいという現実、医療クラスターが頻発していた事実を踏まえると、マスクでOKと認めるのは無理があると思う*1。なので図2からはマスク効果は外す。なお、上述のように感染対策の有無や飲み方の違いはいったん棚上げするので5倍の尺は変えないでおく。
 現在の流行の一番の感染個所は家庭内であるということが明らかになっている。しかも就寝中はマスクはしていないだけではなく、隣で寝ている人のせきなどに無防備であり、換気より防犯を優先する人は少なくないのではないか。
 感染リスクがあるとして居酒屋と満員電車ばかり取り上げるのは思いつきでしかない。一人暮らしの引きこもりであったとしても、たまにはスーパーコンビニに行かなければならないのだから毎日のようにリスクにはさらされ、流行期においては保守的に考えて「閾値は常に超えている」と考えるべきではないかと思う。そんなときに「朝まで飲むのはやめましょう」というのは理解できる*2が、普通の飲み会を制限したくらいでは閾値以下までリスクが下がることはないのである。
 閾値以下まで下げたいのであれば、全員が個室に閉じこもって座禅かテレビ鑑賞にふけるという強固なロックダウンをやる必要があるが、「誰が人に食料を配るのか」「その食料を買うお金はどこから湧いてくるのか」の2つをはっきりしなければやることはできない。

人流抑制は正しいのか

 若者が全員、図2のような生活をしているわけではない。また、毎日飲んでいる人もいるけれど、そうでない人だってたくさんいる。一人暮らしの人は一定数いるので、深夜はリスクが少ないかもしれないが、一人暮らしは寂しいので仲間と部屋飲みをしている人だっている。
 図2のグラフを、乳児からお年寄りまで、国民全員分足し合わせる。

すると、個人が外で飲んだかどうかというのは関係なくて、「多くの人は朝起きて、昼に仕事か勉強をして、夜に寝る」という最大公約数的な特徴しか現れなくなる。一定数は外で飲むので影響皆無とは言わないが、わずかな影響に過ぎない。このわずかな影響を取り上げて、「協力金はいつ払うか知らないけれど、とりあえず仕事を止めろ」というのは政策として間違っていないだろうか。たかだか5倍しか変わらないのである。個人レベルで5倍にひるむのであれば、それは個人で控えればいいこと。重要な商談の前日は早く寝ましょうとか、従来と同じでよかろう。社会全体で自粛しましょうというほどの有意差ではない。
 東京キー局の場合、渋谷のスクランブル交差点や、品川駅港南口を定点カメラで映し、携帯電話会社のGPS情報を使って人の動きが増えた減ったと大騒ぎしているが、これもおかしい。人流抑制を信じる人たちの頭の中は、たぶん図4のような世界になっている。

 テレビで紹介されるような人流で、社会全体の人の動きを理解するのは可能だろうか。風邪のピークとなる真冬に、何時間、外にいるだろうかと自分に問うてみたらいい。「わたしは寒波が大好きで、半日以上は外で暮らすのが日常です」という人は少ないと思う。都会だったら自動車で移動したり、地下街を歩くことを好むと思う。屋外やバイクで仕事をしている人や、マラソンをする人はたくさんいるけれど、世の中の大半の人は定点カメラに映る場所には「長居」しない。定点カメラもGPS情報もその瞬間の情報を切り取っている。図2のグラフと同じように時間×場所で考えてみたらいい。
 夜寝ている人が朝起きてどういう動きをして、どこに長居をするかを割合でイメージすれば、図5のように考えるのが自然ではないか。人流が減ったといっている人たち、この図を見て何を喜ぶべきなのだろうか。
 首都圏では千万人単位の人々が通勤して人と会っている。同じような規模の人たちが食料の買い出しまたは配達を受けている。このような大きな動きを無視して、駅前の人出が増えた減った、野球場の観客が増えた減ったと騒いだところで大勢は影響ないのである。確かに第1回緊急事態宣言では人出が減ったと思っているし、わたしにも気持ちは理解できる。ただ、タケコプターをつけて上から眺めたわけでもないし、都内ではドローンも飛ばしづらい。地上に足をつけて立っていて、本当に千万人単位の人々の動きを見たというのだろうか。通勤ラッシュや東京ドームだったらせいぜい数万人であろう。数万人なんて誤差の範囲である。
 だから音楽イベントの中止も、オリンピックの無観客も意味がない。
 度重なる要請で減ったと思われし数万人は、全員引きこもっているわけではない。近所のスーパー、コンビニで買い物をし、公園、河川敷で散歩をする。他人と接触する場所が変わっただけである。なお、住宅地の徘徊はGPSのマスデータでは捕捉できない。
 大雨や台風といった自然の猛威でさえ、人々を家に縛り付けられるのはせいぜい数日。長期化すれば人々は外に出たいという欲求を高めてしまう。
 病気やけがは外に出ることをあきらめさせたり、おっくうにさせたりする。もし国民総引きこもりが政策で成功するのだとしたら、具体的な症状が出ている、何らかの中毒か病気である。今、行政、マスコミ、医療利権が行っているのは、煽って人々を精神的に追い詰めることである。公衆衛生や人々の健康が二の次になっているところが滑稽である。
 東京ディズニーリゾートの隣に浦安市運動公園という公園がある。オリエンタルランドは「千葉県の要請に従って入場者数を減らしました」「完全予約制にしました」ということにしたが、隣の運動公園は大混雑だったという。年間パスポートを持っていて普段はディズニーを満喫している市民を道路はさんで隣に動かしただけである。無料駐車場には他県のナンバープレートが目立っていたという報告もある。せっかく浦安まで来たので、入場はできなかったが寄っていこうということだったのだろうか。運動公園はその名の通り野球場や体育館があるのだが、コロナのために全部閉鎖。すると、公園の中でも人々をさらに狭いオープンスペースに押し込めるということが行われていた。千葉県は民間企業に無言の圧力をかけ、民間企業は地元の市にそれを転嫁する形になった。ゴミ屋敷に住む住民が、夜寝る時だけ周りのごみを寄せて寝場所を作るというのとやっていることは同じ。これが人流抑制政策の縮図になっていて趣深い。雨が降ればこの人々はショッピングセンターに向かう。ますます密を誘発する。
 人流抑制が感染拡大防止策ではなく、感染拡大策になっていた疑いがある。だから、テレビの言うことを信じる人ががんばって引きこもりをしたところで、差し引きゼロか、それ以下なので意味がない。
 国税庁による、飲食店の酒類卸に対する謎要請(のちに撤回)において、「結局、締め付けをやっても意味ないよね」「近くの酒屋で買い漁ればいいだけだもんね」という話を聞いて、人々がようやく気づいてくれたのではないかと思った。2020年からやっている第1回緊急事態宣言以来、ほとんどの政策が「やっても意味ないよね」なのである。
 自粛要請が、「サービス業を殺して感染症病棟を救うのか」「感染症病棟を犠牲にして社会経済を維持するのか」の選択で、いわゆるトロッコ問題であると解説されてきた。わたしも初めはそう思っていたのだが、どうやらどちらも感染症病棟を救わないようである。意味がないことをして人々を経済苦に押しやったということである。多少はやった方がましだったのでは、というのは単なる願望であり、現実は異なる。
 ただし、完全にだめということではない。普及率が低いものの、テレワークが一部の業種や職種で認められるようになったことは、多少は人の動きに影響を与えている。大学の講義、就職面接がオンラインになったことについては「これで授業料を全額取るのか」「これで他人を評価していいのか」という別の課題はあるものの、人の動きを変えたという意味では無視できない影響が認められる。仕事や聴講が成立する人は家でやったらいいという仮説は成り立つかもしれない。ただ、人間の心と体は毎日外に出ず、画面を見ながら孤独に過ごすようにはできていない。健康に生きる、社会生活を営む、人と助け合って生きていくという目的においてすべてがオンラインでよいとは言えないだろう。
 通勤電車は3割ほど利用者数が減っている。減った分は勤務先や大学そばの飲食店から地元のコンビニに移しているだけではあるが、多くの時間をパソコンの前に人を縛り付ける効果はある程度認められると思われる。
 これと同じようなことができないか。そう、それはオリンピックの開催である。無観客を止めたとしても、人出は数万人である。その数万人は普段、会社や学校に行っている人たちの行先が変わるだけなのである。ただし観客のような「目に見える人込み」はすべて誤差である。視聴率50%、60%相当の人たちをテレビの前に縛り付けることができれば効果は絶大である。最近はスマートフォンでも映像を見られるから、普段はまじめに仕事をしている人たちや、テレビがない場所にいる人たちも重要な試合のときは一瞬画面にくぎ付けになると思われる。ひと試合数分でも、数千万人であれば、社会全体で高い接触抑制効果を生む。

オリンピック中止以外考えられないとか言っている人たちこそが考えられない。

何も人の動きを見ていない。イベントは悪だと思い込んでしまっている。

マクロとミクロ

 ひとりの個人が支出を抑えると、その家計に限っては純資産は増える。しかし、国民全員が消費を渋ると、国民総生産が減って、収入は減る。デフレになり不況になる。マクロとミクロとで逆のことが起こる「合成の誤謬」が起こるのだが、今般の狂ったウイルス政策では「ひとりひとりが頑張れば、国民全体で大きな力になる」という「元気玉理論」が教義のようになっていて、信者は誰一人疑おうとしない。オリンピック観戦のように全員を具体的に同じ方向に動かすようなものでなければ元気玉理論は成立できない。自粛によって単に行動の選択肢を奪うだけでは、人は別の形で接触を続けるだけである。
 ひとりひとりがちょっと我慢したところで大勢には影響を与えない。大衆が自粛を無視するようになった今日ではこの傾向が色濃く出るようになっている。
 いろいろ図にしてみた*3が、どうしたら自粛大好きな方々とイメージを共有できるだろうか。高橋洋一さんのさざ波グラフを見てもわからない人たちに伝える方法はないものか。

*1:マスクは効かないと言っている人たちと一緒にしないでほしい。N95マスクを完璧に装着した人がいれば、その人のリスクは抑えられていると思う。飲食店で調理に従事する人は虫や髪の毛と同じように、鼻や口から出た飛沫も混入しないようにした方がいいとは思う。ただ、ミクロとマクロは違う。わたしは、マスクを世間の空気ではやらすことに成功したものの、社会全体として制御する機能は有していない、と言っているだけだ。リスクが一切ないなら神社のお守りのように持っていればいいと思うが、熱中症のリスクや、人の顔を見ずに育つ乳幼児への影響などが実際に指摘されているので、社会的に意味がないものを社会的に続ける意味はないと思っている。もちろんつけたい人の自由は尊重する。

*2:体の抵抗力の低下を翌日まで引きずりますからね

*3:調べたわけではないので、グラフの尺はいい加減である。申し訳ない

OPPO Reno5 A

 Reno3 Aからの買い替え、決断してしまった。
 購入してからXiaomi Japan Mi 11 lite 5Gの存在を知ったのが、もう少し早く教えてほしかった。でもまあ防水やeSIM対応がある方がいいので後悔するのはやめよう。

 レビュー記事がたくさん出ているので、Reno3 Aとの比較で気が付いたところをいくつか。あくまでも個人の感想です。

箱が薄い

3Aは、充電器、イヤホン、ケーブルつきであったが、5Aには一切ついていなかった。

サイズは変わらない

音量大小ボタンが若干上に移動したくらいかな。3Aを使っているのかと勘違いしてしまうほど。

インカメラの位置が変わった

左上に移動。画面内に穴があるみたいに見えるが、画面上部の時計やアイコンは右によけてくれていて不具合はない。

アウトカメラは性能向上

オウガジャパン社はカメラを一番のアピールポイントとしているようだが今のところよくわからない。そもそも

画面はきれい

有機ELから液晶になったが、見劣りはしない。

5G対応

まだ対応エリアが少ないし、大容量で使うときにはWifiを使うから、普段使いではよさがわからない。待ち受け周波数帯が増えるので、電池のへりが早くなるのかもしれない。

急速充電

少し熱くなったのでバッテリーの劣化が心配ではあるが、それであれば急速充電対応の充電器を使わなければいいだけのこと。

指紋装置が裏面へ

3Aとは異なり、机に置いているときに指紋認証によるロック解除ができないというが、どちらかというと5Aの指紋の読み取りがスムーズなことの方が個人的には満足度が高い。見た目はiPhone 7, 8などについているような丸形の読み取り装置だが、iPhoneのようなクリック感はない。3Aは指紋を読み取ってもらえないことが多かったので、それが解消されただけでも買い替えた価値があった。

Felicaの感度はよい

鉄道の自動改札機は非接触で通過できる。精密機械だから固いものに押し付けて使うと徐々に疲労がたまっていくと思うので、できればタッチしないで使いたい。

まとめ

まあ、1世代しか変わっていないので大きな変化はない。そして、同じ製造メーカー同士であり、OSのバージョンも同じ、かつ、設定も全部移行してしまったから、ユーザー画面などはこれまでと全く同じである。
2、3年前の機種からの移行であれば、深夜の充電をゆっくり行う機能など、最新の機能が使えるようになると違いを認識できると思う。
ただ、この次のバージョンアップって、何をしてくれるのでしょうかね。iPhone 12の次が13ではないという噂があるが、Androidも11まで来て、この先どうなっていくのだろうか。
5Gエリアの拡大と4Gエリアの縮小により、だんだんよさが出てくると思うが、その前にまた買い替えてしまうかもしれない。

ウィルス対策ソフトの暴走

 Windowsを起動した直後から、インターネットにつなげなくなって焦った。自分のパソコンで使っているウィルス対策ソフトウェア*1が、すべてのSSL/TLS通信をシャットダウンしていることがわかった。
 しかも、そのソフトウェア自身も正常に動いていないし、アップデートに失敗したと通知してきたり、長い間アップデートされていませんと通知してきたりと、ソフトウェアが人間だとしたらパニックに陥っている状態だった。
 最近のWindowsパソコンは、サインイン直後に何もしていなくてもいろいろな導入済ソフトウェアが勝手にインターネットに通信を始める。ソフトウェアのアップデートがないかを確認するなどの目的なのだが、通信を安全に行うために暗号化が行われているが、これが信用ならないとしてことごとくはじかれていく。
 その直前に、発表されたばかりのWindows 11の対応を調べるフリーウェアを試したばかりだったので、変なソフトウェアを使ってしまったのだろうかと不安になった。また、UEFIの設定も変更したので、そちらのせいだろうか、とも不安になった。
 大きな変更をするときは複数同時にしないというのが鉄則なのに、またしてもあれこれいじってしまった。反省である。
 ウィルス対策ソフトウェアもまたインターネットを通じてソフトウェア開発者のWebサイトとつながっている。そちらに何かあったのではとも思った。しかし、別のスマートフォンで調べる限り新たなニュースはなかった。
 こういうときはいったん落ち着いて、画面から目を離して1分くらいぼーっとしてからパソコンに戻る。そして、目の前に表示されているものをもう一度確認する。
 なお、ウィルス感染が疑われるときはネットワークを切断するということもお勧めである。
 よく見ると、ウィルス対策ソフトウェアの画面に出ているログの日付がおかしい。今年は2021年なのに2023年になっている。そして右下に出ている時計にも2023と書いてある。
 どうやら、UEFIの設定をしていたときに日付を触ってしまったようである。
 インターネット上のサーバーと接続して時計を合わせる通信はSSLを使用していないので時計の補正は完了。
 再起動すると何事もなかったように普段通りに稼働した。

 確かに時計が2年早められていたら、しばらくアップデートされていないとソフトウェアは判断するだろうし、インターネットの先にある通信相手のサーバーが古い証明書を使っているから怪しいと判断するのも仕方がないことだろう。ただ、時計がずれるだけでウィルス対策ソフトウェア本体まで挙動が乱れるのは、攻撃者に狙われはしないだろうかと心配になった。
 いつものごとく、ヘルプを見ても全く参考にならない。一度、ソフトウェアが表示するすべてのメッセージを洗い出してヘルプを作ってみたらどうだろうか。また、自らのソフトウェアは何を稼働前提としているのかもれなく記載してみたらどうだろうか。

まとめ

  • パソコンの設定を変えるときは、ひとつずつやり、再起動して正常確認を確認する。
  • ソフトウェアがパニックになっても、使って人までパニックにならない。
  • 落ち着いて、画面で何が起こっているのかを捉える。
  • いつもと違うところがないかを確認する。

*1:そのソフトウェアが不良と言い切るのは言い過ぎなので、ソフトウェアの名称を書くのは控えておく。

JR東日本えきねっと、UX改善できたか

 JR東日本で旅客向けアプリケーションの更新が続いている。きょう2021年6月27日からはえきねっとが一新された。
 JR East IDと、えきねっとIDの入力欄を同じ画面上に並べるという意味不明な仕様をやめるなど、いくつか改善されたことは認めよう。
 ただ、相変わらず、実際の利用者がテストしていないでしょ、としか思えない部分が散見される。
 まず、最初に規約がだらだら出てきてそれに全部同意させられるが、何を理解してほしいか簡潔に1枚にまとめたらどうか。
 それと、画面を進めるごとに何回かポップアップが出てくるが、スマホ時代にポップアップはやめてほしい。
 一番気になったのが、新幹線駅の自動改札を交通系ICカードで通過するために登録した結果を通知するメール。

XXXX  XXXX さま
会員番号:XXXXXXXX

この度は、えきねっとをご利用いただきましてありがとうございます。
ICカード情報の変更が完了いたしました。
※変更前のICカードではご乗車になれませんのでご注意ください。

■予約番号
 XXXXXX

■申込内容
==基本情報==
乗車日:XXXX年XX月XX日
区 間:那須塩原(XX時XX分)→東京(XX時XX分)
人 数:おとな3人、こども1人

==列車情報==
(1列車目)
列車名:やまびこXX号(東北・北海道新幹線)
区 間:那須塩原(XX時XX分)→東京(XX時XX分)
設 備:指定席
割引等:トクだ値50%OFF
座 席:XX号車 X番X席
IC番号:JEXXXXXXXXXXXXXXX

座 席:XX号車 X番X席
IC番号:JEXXXXXXXXXXXXXXX

座 席:XX号車 X番X席
IC番号:JEXXXXXXXXXXXXXXX

座 席:XX号車 X番X席
IC番号:JEXXXXXXXXXXXXXXX

==乗車券情報==
区 間:那須塩原→東京
期 間:1日間有効

≪申込内容の確認・変更・払戻(取消)はこちら▼≫
https://www.eki-net.com/Personal/reserve/(以下略)

全く改善されなかった

航空便の場合、保安上、どの席に誰が座っているか把握するため、誰がどの座席につくかが決まっている。ところが、JR東日本ICカードの裏側に書いてある長い呪文を覚えて駅に来いと言っている。
 車掌からすれば問題ない。今は、指定した席に誰かが座っていれば車掌は気にしない運用なので、特に気にしなくてよい運用である。子ども料金で予約した席に大人が座っていても、4人連れが4人で座っていれば問題ない。だから、係員からは文句は出ないだろう。
 しかし、乗客はそういうわけにはいかない。
 上の例で、4人のうち1名キャンセルしなければならなくなった場合にどうするのか。
 残った3人は、キャンセルされていない席に座らなければならない。
 新幹線で4人だと、3人掛け3人+1人あまり、とか、2人掛け×2列などで予約される。1人あまりを解消しようかな、とか、通路側をキャンセルしようかな*1、とかふつうは思うものである。おばあちゃんの席を通路側に移動して、窓側だけ解約しようといったことを考えることになる。ところが、メールを見ても誰がどこに座る予約になっているのかよくわからない。登録するときに暗記しろということか。
 ANAJALのように、誰がどの席に座るかをメールに書くべきであろう。えきねっとを操作してる間は、ICカード番号に愛称をつけることは可能で、「おねえちゃん」とか「おじいちゃん」とか登録しておくことが可能になっている。もちろん実名で登録してもいいけど。ところがメールを受け取るとICカード番号だけ。
 実は、えきねっとアプリで見ると愛称を確認することができる。ではなぜメールをそのままにしたのか。そのままというのは正確ではなく、旧システムとは文面が異なるから誰かが記載内容を設計しているはずである。マルチチャネルで情報を出力しているのであれば、アプリで見られるからいい、ではなくて、アプリでもメールでも情報を確認できるように作るべきなのではないのか。

 先日のモバイルSuicaアプリに続いて再びこれだ。この会社、本当にセンスがない。巨額の投資をして刷新をしているはずだが、どこのベンダーがこれを作っているのだろうか。そして、誰がレビューしているのだろうか。

 ANAJALに追いつくにはあと10年くらいかかりそうである。ただそんなに時間は残されていないのではないか。MaaSが始まればMaaS業者が予約を管理するようになる。旅行会社に頼っていた発券を努力して自社サイトに引き戻しつつあるのだと思うが、これではグローバルのITジャイアントか、楽天Yahoo!あたりに主導権を奪われる。「JRのきっぷをJRから買うのは時代遅れ」という見出しが雑誌の見出しになる。

*1:トイレが近い人などは窓側をキャンセルするかも

路線バスの情報提供がお粗末な件

 三密を避けて、すいている長距離バスを見つけて予約を取ろうとした。
 電話ではなくてWebで探してみた。しかしがっかりだ。
 以前に比べれば改善しているけれど、旅行者の視点に立ってサイトを作ってほしい。
 テレビのニュースを見ると、COVID-19の影響で観光需要を中心にバスは大打撃を受けているというが、本当に集客するつもりがあるのだろうか。
 減便して雇用調整するというのであれば、遠くの県の会社と人を交換してみたらどうか。乗車待機になっているよそのバス会社の運転手さんに来てもらって、自分たちのバスを予約して、乗ってもらってみてはどうか。バスの運転は得意でも、土地勘のないところで他社のバスに乗るのは大変だと思うよ。なぜこの業界はサービス改善ができないのか。以下はいくつかの大手サイトや地方バス会社を見た感想であり、改善に取り組んでいるところもあるとは思うが似たり寄ったりだと思う。

  • 1か月前から予約開始としておきながら、1か月前の何時に予約受付を開始するのかどこにも書いていない、あるいはとてもわかりにくいところに書いてある。Webは24時間やっているけれどまだ窓口営業の感覚なのだろう。
  • 乗車場所は地図で示しておきながら、降車場所の地図はない。近年、都市間バスは駅から駅を結ぶことが多いが、降りたところから列車に乗るまでどれくらい時間がかかるのか書いていない。
  • 一方、駅前で降ろされたからといってすべての客が目の前にある駅に向かうとは限らない。例えばレンタカーを借りる者もいるだろう。旅館の送迎が来るかもしれない。別の会社の長距離バスに乗り換えるかもしれない。しかし、バスは知らない場所に降ろそうとする。地元の土地勘のある人が都会に行くためだけに走らせていては需要が限られると思う。
  • バスターミナルに乗り入れる停留所では、くどいくらいに乗り場番号を書いた方がいいと思う。「〇〇駅5番のりば」などのように。そもそも旅行者には北口なのか南口なのかもわからない。
  • なぜ路線バスは停留所ナンバーを導入しないのか。路線番号もちゃんとつけた方がいいと思う。
  • 路線案内のページ、チケット予約のページ、地図検索のページ、時刻検索のページが全部ばらばらなので、全部見ないと必要な情報が入手できない。
  • 「この路線は途中の停留所で系統を打ち切るので、いったん料金を払ってください」なんだそれ。系統打ち切りはバス会社の都合であり、なんとかできないのか。
  • 乗車停留所の近くのトイレの情報がない。バスタ新宿のような日本を代表するバスターミナルでさえ、当初停留所だけ作ってコンビニやトイレが不足していたという話もある。旅行者の動線を全く気にしない。
  • 停留所の地図の大きさが控え目。スマホとPC併用にしようとすると横幅が限られた地図を使うしかないのだが、GoogleYahoo!のマップを使う方が親切なのではないか。
  • 座席指定の便で、予約操作を途中まで進めないとバスの座席マップが見られない。これは鉄道にもよくあることだが、なぜ画像1枚貼るのを面倒くさがるのだろうか。
  • 支払方法が増えました、というアピールは見られるようになったが、そんなことよりも、まずは前払いか後払いかちゃんと書いたらどうなのか。事前に決済が済んでいるかどうかよりも、乗車券の確認を受けるタイミングがいつなのかが知りたいのである。自分たちが料金を徴収して終わりにしないでほしい。

 なお、Webサイトだけでなく、バス停での案内ももう少し丁寧にすべきなのではないかと思う。

 観光バスは必死だけれど、路線バス業者は「鉄道がつぶれても最終的にはうちはつぶせない」という甘えがあると思う。しかしこれではMaaSが来ればあっという間におしまいだと思う。駅前バス・タクシーロータリーは全部つぶしてMaaSステーションになる。レンタカーの営業所を大きくしたようなものに生まれ変わる。スマホで自動運転車の予約なんて無理だなあ、という人だけが「ああ、駅からちょっと歩くけどバスもまだあるかもよ」と言われて使う。むかしは1時間に1本出ていたのになあ、と懐かしがりながら、急がない人が乗る。そういう乗り物になる。

Reno3 A その後

2020年9月にOPPO Reno3 Aについて書いた。
lqh.hatenablog.com
あれからまだ1年経っていないが、Reno5 Aへの買い替えを考えている。
わたしは「最新のスマホを持っていない奴は人生を損している」とまでは思わないので普段は2年程度は使うことにしているが、今回は違う。
ただいま土曜日の23時前。まもなく日曜日になるとPayPayモールの10%引きが適用される。2021年6月に出たばかりの新製品に手を出してしまうのだろうか。
いったん3 Aを振り返ってみることにする。

購入半年後の追加評価

【△】モバイルSuicaの効きが少し悪くなってきた

使い始めは何か不便を感じることはなかったが、いくつかハードウェアで気になるところが出てきた。最初からそうだったのか、ガンガン落としまくっているから壊れたのかはよくわからない。ただ、国産では1年で何か気になることが出てくるようなことはなかった。
一番は、たまに東京に出たときにスマートフォンで自動改札を通るときに1回で通れなくなることがあることだ。ストライクゾーンが小さいのか、他の電波と干渉しているのかはよくわからないけれど、オートチャージしている端末で自動改札の扉が閉まると少しストレスになる。
ただし、店舗の決済端末ではそれほどストレスに感じたことはない。それでもすぐに反応していないのかな、と気づく程度で、エラーになることは少ない。もっとも、SHARP端末を使っていたときにはエラーになった記憶がないので、AQUOSは優秀なんだなと思う。

【△】指紋認証の本人拒否率が若干高い

オリジナルでついていた画面保護シートがはがれてきたので、ガラス製のスマートフォン画面保護シートを付けたら指紋認証が通りにくくなった。ガラス製をあきらめてぺらぺらのシートに取り換えたが、それでも認証が通らない。Color OSでの端末ロック解除や、スマートフォンアプリケーションの起動時認証で指紋を使うことがあるが、あるアプリケーションの認証が特によくない。別のアプリケーションでは比較的通りやすく、法則が読めない。OSの端末ロック解除は顔認証が併用なのでどちらで解除されたのかわかりにくい。

【△】Bluetoothもたまに怪しい

実はこの機種に変えたあたりから、ワイヤレスイヤホンを使うようになった。それ以前からコカ・コーラ自動販売機と接続をしていたが、これが最近になってつながりにくくなった。他の機器とつながっているからだと思うことにしているが、そういうものなのだろうか。

【△】タッチパネルの感度が高すぎる

移動中にYoutubeを再生し、音だけ聞いていると、別の番組が始まってしまうことがある。動画も見ているときには画面に触らないように気を付けるが、例えば動画を見ないで歩いているときにどうやら画面を触った扱いにされてしまうことがあるようだ。Youtube Premiumにすればいいというのはわかっているが。

【〇】機種変更前の夜間モード設定が消せない不具合は解消された

いつしかのアップデートで夜間になっても濃い茶色にならなくなった。もっとも、OSのバージョンもColor OS 7.1から11に上がっている。Color OSは、Android 10相当からAndroid 11相当にしたときにバージョン番号をAndroid のバージョン番号に合わせたので、OSが4つも上がったのではなくて1回メジャーアップデートしただけである。

【〇】怪しい情報漏洩は検出できていない

最近ルーターを買い替えたので、家庭内LANからどこにデータが送信されているのかを確認するようにしている。中国製品なので中国当局に情報送信をしているのかもしれないと思ったが、怪しい送信は見当たらなかった。ただ、それを検出しているルーターを中国製なので両方とも中国当局に忠誠を誓っているのであれば何かしていてもわからないかもしれない。日本市場で売ってるすべての中国製品に怪しい送信機能がついていたり、特定の外国がサイバー戦争をするときの傭兵に組み込むような機能が搭載されていたりしたら、日本国内にいればいったん日本の通信業者を経由するので何か気づくと思う。高級官僚や政治家だけを狙って裏口を開けるような機能がついているとすればそうかもしれないが、まあ、わたしごときのデータを見ても仕方がないと思うんですけどね。
なお、Color OSにサインインしていないので、サインインすればOPPOにバックアップデータの送信をするようになると思われる。それと、話が外れるが、ルーターのログを見たら、ある国内有名メーカーのIoT製品の方がよほど怪しかった。何かに感染しているのだろうか。

購入時の感想からの差分は異常だが、逆に言うとあとは気になるところがない。遅い、熱い、電池がもたないということはない。ミッドレンジマシンとしては価格とのバランスが取れていると思う。

Reno5 Aへの期待と不安

有機ELが液晶になって残念だが、それでもきれいとあちこちのサイトに書いてある。でもまあ、3 Aを有機ELと認識して使っていなかった。
指紋が画面内ではなくなったが、後ろの方がよさそうである。ただし、おサイフケータイモバイルSuicaは大丈夫だろうかとやや不安ではある。
個人的には重くなってもいいのでバッテリー容量を増やしてほしかった。
5G対応ということで、ソフトバンクバンドをサポートしているようなので、ワイモバイルと楽天モバイルのデュアルSIMでどこまで5Gをつかむか楽しみである。そう、5Gを少し体験したいなというが購入動機になっている。
フラッグシップモデルでおサイフケータイをつけてくれればそれも考えるのだが、OPPOはミッドレンジモデルにしかつけてくれないので5 Aが候補になるのかな。